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為替大観

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第466回 ~ファンダメンタルズで勝負~

2022年01月19日

最初に、2022年を俯瞰して金融市場の潮流を単純化してみた。
昨年2021年は、①バイデン(大統領就任)で、新年の幕(大きな政府)が開き、②新型コロナの変異株とワクチンの戦いで時は流れ、③最後はパウエル(FRB議長)が2022年の(利上げ開始の)ベルを鳴らした、年であった。
では2022年はどうかと言えば、①パウエルが幕(緩和縮小→引き締め)を開け、②課題解消遅延と利上げラッシュで相場の変調が続き、③最後は、バイデンが安定期終了の幕を引く(中間選挙でねじれ発生の可能性)、という見通しになった。

上記2022年②の課題とは、既に問題は明らかになっているが、イ)高い物価の長期化、ロ)低い(必要な採用ができない)雇用、ハ)遅々として改善しないサプライチェーン、の3点である。これが筆者の国際金融市場観測と為替市場予想の底流である。

さて、ここ1週間は、スピード調整を終えて、変動要因―特にファンダメンタルズーの変化に反応して上下動を繰り返した。これまでは金利差、実質的には米ドル金利の上下を主要因にしてドル円は上下していた。しかし市場の反応に微妙に違いが起こっているように見える。これからはむしろファンダメンタルズを重視していくことが必要、との思いになった。

まず先週の動きをおさらいしたいい。先週末14日の小売売上高が前月比-1.9%と予想(-0.1%)以上の低下に市場は驚き、経済活動の停滞→前倒しが予想された利上げ時期の見直し→金利低下という流れを見越して、ドルは下落。ドル円は一時、ほぼ3週間ぶりの安値113.48円をつけた。一方でドル金利(米10年国債金利)はむしろ前日比では上昇(終値ベースで1.701%→1.793%)、ドル円も上昇に転じ、114円台に戻って引けた。この段階では、まだ金利差がドル変動要因としては優位な位置づけにあった。

しかし、昨日は違った。ドル金利が上昇したにも関わらず、ドル円はむしろ円高気味で推移している。基準となる10年国債利回りが1.890%と、2年2か月ぶり(2019年11月14日の1.893%)以来の高値をつけたにもかかわらず、ドル円は上昇していない、これだけのドル金利上昇となれば、以前なら優に115円台に戻すであろう。NY市場で、ドル金利がドル高に結びついていないことに違和感を持った。考え方や市場を見る目を変えたほうが良いかもしれないと感じた次第である。その試金石が今日からの経済指標で判断できる。まず発表されるのが、住宅着工である。

今月は、経済指標が芳しくない。月初のISM景況感では製造業(61.1→58.7)、非製造業(69.1→62.0)とも低下した。水準は50以上なのでまだ拡大圏の中ではあるが、成長頭打ちの兆しかもしれない。雇用統計も非農業部門雇用者数が予想以下、そして前述のように小売売上高が大きく予想以下となった。昨日はNY製造業景況感の大幅な下落(予想+25.7に対し、-0.7)が発表になった、など米国景気鈍化の懸念が高まりつつある状態である。

さて、今日からの1週間は、来週(1/25~26)のFOMCを控えて、どちらかと言えばドルを買いたい心理の中で、ファンダメンタルズ動向に左右される展開と予想したい。特に今日から始まる住宅関連指標にはドル売り方向に働く可能性が含んでいることに注意をしたい。今日は住宅着工(予想は年率168.2万戸、先月167.9万戸)で、20日には中古販売(予想は年率で655万戸、先月646万戸)が続く。

この意味で、来週のFOMCは大事だ。ファンダメンタルズの悪化がどのように金融政策の転換に影響を与えるか、細心の注意を持って見守りたい。今後1週間の相場レンジ予想は、ドル円は、113.50~115.50円、一方ユーロは、対ドルで1.1225~1.1375、対円では129.00~131.00円、英ポンドは先週と同じ1.3500~1.3700と予想する。

(2022/1/19, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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