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為替大観

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第470回 ~二人のPと三つの目~

2022年02月16日

今、為替市場の命運は「二人のP」に握られているといってよい。Powell(パエウルFRB議長)とPutin(プーチン・ロシア大統領)である。その実態が如実に表れたのが、この1週間であった。これからも二人の言動には、予断を持たず見守り、本質を見つけていかなければならない。そこで、今回はこの二点に関し、為替相場(主にドル円)への影響を、三つの目を通じて考えてみたい。

まず、短期的な「虫の目」。これは表に出る事実で判断する。今回は物価指標を受けてドル買いとなった。先週10日に発表になった米消費者物価指数(CPI)は、年率で総合+7.5%(前月+7.0%)、コア+6.0%(前月+5.5%)と、予想を超える結果にドル買いの勢いが増した。高値は116.34円であったが、今年の高値(116.35円、1月4日)を超えようかというところまでドル円は上昇した。そして昨日の生産者物価指数は、年率では9.7%と前月(改訂後+9.8%)よりわずかに下回ったが、前月比が+1.0%と予想(+0.5%)より大幅に上昇した。物(Goods)の価格上昇が前月比で+1.3%(前月はマイナス0.1%)と広く物価が上昇しており、消費者物価への波及は必至である。

一方、ウクライナ情勢は、ロシア軍事勢力の緊迫度で相場が乱高下している。週末は米国から米国民の撤退勧告が出たことで一気に侵入近しとのニュースでリスクオフの円買いで115円割れ寸前までドルは下落。しかし昨日は、ロシア軍隊が一部後退との情報で、緊迫感が後退、売ったドルの買い戻しで、ドル円は115円後半まで反発。まさに心理戦の様相を呈している。これは極めて短期的、投機的、機械的は展開となり、早めの売買が必須となる。

そこで、「魚の目」で見る。こちらは、魚が前後左右、浅深を縦横無尽に動きまわるように、先の見通しや表に出てこない情報を探り、考える方法である。パウエル氏の胸の内は、「インフレ退治の早期導入に焦っている」、ではなかろうか。サマーズ元財務長官から「早く緩和政策をやめるべき。臨時会合を開催し、すぐにでも引き締め政策を発動すべき」との意見もある。すでに、「FRBはビハインドカーブ(後手に回っている)」との声も高まってきた。3月のFOMCでは二回分となる0.50%の利上げは市場に織り込み済みとなった。今日、前回FOMCの議事録が発表になるが、このタイミングで臨時会合の開催の可能性は否定できない。2年前の新型コロナ危機に臨時会合では、大幅な利下げを行った実績もある。そうなれば、ドル円は一気に年初来高値を超えるであろう。

そしてウクライナ情勢。現在水面下でかなり激しい交渉が続いていることは、疑いの余地がない。プーチンは業師。戦争はしたくないが、得るものはできるだけ取りたい、との戦術を駆使するはず。「NATOの東方拡大は絶対阻止」との構えを示しており、米欧との違いは大きい。北京オリンピックは20日に終了する。表面的には、問題の解決には時間もかかるとの情勢だが、ミュンヘンでの会議も近い。予想以上に早めの解決もあり得る。そうすれば一気にリスクオンに転換。その時に備えておく必要がある。

最後に「鳥の目」。これは長期的に歴史感をベースにする分析であるが、別の言葉でいえば世界の覇権争いにおけるドルの位置づけの問題である。個人的には「米ドルの落日」が見える。こちらは日を改めて書いていきたい。

今後1週間の相場レンジ予想は、ドル円は、114.50~116.50円、一方ユーロは、対ドルは1.1300~1.1500、対円では130.50~132.50円のユーロ安、英ポンドは先週と同じく1.3450~1.3650と予想する。

(2022/2/16, 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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