FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

為替大観

最新の記事

第474回 ~長続きする円安~

2022年03月23日

円安は、まだ始まったばかり。先週のタイトル「円安は止まらない」の通り、この一週間、円は約3.20円安くなった。その前の9日間における約3.20円の円安を加えると、2週間余りで6.40円(約5.6%)と、2段階での円安進行となった。

第1弾は、米雇用統計がきっかけ、そして第2弾は、米FOMCでの利上げ決定である。このような短期間で円安が進んだのは、トランプ氏が米大統領に当選した2016年11月以来(1か月13.67円の円安)である。今後、短期的には、節目になる水準でもみ合う期間が出てこようが、この後第3弾、第4弾が続いていき、125円を超えるところまで円安が進んでいくと予想している。

その理由として、これまでの円安となったケースを振り返ると、いずれも政治絡みの要因で発生していることがわかる。過去10年で見ると、最初は、アベノミクス、黒田バズーカと言われた、強力な金融緩和政策が要因だ。2012年10月から、約8か月連騰(月足ベース、以下同じ)で約26円の円安となった。次は、緩和第2弾が発表された2014年7月から、6か月連騰で20.60円の円安がある。そして先に述べたトランプ米大統領当選時の3か月17.50円の円安進行が続く。今回も米中央銀行の金融政策大転換が、主な要因である。これまでの経緯を単純になぞらえていくと、今後数か月は円安が続き、さらに進んでいくと予想される。

また現在の円相場は、全面安とも言える。有事の円買い、あるいはリスクオフで円買い、と言われた時代の面影は消え失せている。通貨別に見ると、まずドル円は121.41円まで上昇、これは2016年2月以来6年1か月ぶりの円安水準だ。対カナダドルでは2015年7月以来の96.50円、対スイスフランでも同じく2015年7月以来の130.63円、対豪ドルでは2015年12月以来の90.66円、対英ポンドでも161.10円と2016年5月以来の円安となっている。

ウクライナ情勢の悪化により、これまでなら安全通貨として円は買われるところだが、今は全くその気配がない。理由は簡単、今相場を決めているのは「お金が流れる高いところが、日本にはない」と市場関係者が判断しているからである。代表的な要因である円金利が圧倒的に低い。日本の政策金利はマイナス0.1%と、G7国では欧州(ECBの預金ファシリティ金利が、マイナス0.5%)に次いでマイナス金利である。

すでにカナダが0.5%(3/2に0.25%引き上げ)とし、先週は米国が0.25%(+0.25%)、英国が3回目の引き上げで0.75%とした。この政策金利引き上げに伴い、市場金利は上昇、日本でも10年債利回りが上昇しているが、両国に比べると日本金利の上昇幅は微々たるものであり、金利差はますます開くばかりである。

物価の上昇率を見ても、その差は明らかである。米国のCPI(消費者物価指数)は年率7.9%(総合)に対し、日本は0.9%(総合年率)である。先日の日銀政策決定会合後に行われた黒田総裁の記者会見でも、円安進行について、けん制あるいは懸念を示すのでなく、むしろ物価を押し上げるという点で日本経済にプラス、との見解を示している。息の長い円安が続く条件が積み上がっている。

さて、今後1週間の相場レンジ予想であるが、ドル円は、短期的な調整はあっても基調はドル高で119.20~121.50円、一方ユーロは、対ドルで1.0880~1.1180、対円では131.00~134.00円とユーロ高円安を予想、英ポンドは1.3100~1.3400とポンド強含み推移と予想する。

(2022/3/23, 小池正一郎)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引、証券取引、および暗号資産CFD取引(暗号資産関連店頭デリバティブ取引)に関するご注意


【パートナーズFXおよびパートナーズFXnano】
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。
パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第31項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。
取引手数料は無料です。なお、外貨両替については1通貨あたり0.20円、受渡取引については1通貨あたり0.10円の手数料をいただきます。

【CFD-Metals】
CFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。
CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。

【証券】
国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

【暗号資産CFD】
暗号資産は法定通貨(本邦通貨又は外国通貨)ではなく、特定の者によりその価値を保証されているものではありません。暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。
暗号資産CFDは、取引時の価格の変動により、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格には差額(スプレッド)があります。
暗号資産CFDの取引に必要な証拠金は、取引の額の50%以上の額で、証拠金の約2倍までの取引が可能です。
取引にあたり、営業日をまたいで建玉を保有した場合にはレバレッジ手数料が発生します。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人日本暗号資産取引業協会