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第480回 ~足元は円高への調整予想~

2022年05月11日

FOMC、米雇用統計ともそれなりにドル高を確認するような結果であったが、ともかく更なる円安をもたらす異常値ではなかった。そこで、市場には、ひと呼吸を入れる空気が流れているようだ。ドルは130円を割ってきた。ただ、市場のコンセンサスとしては、まだ円安は終わっていないし、個人的にも来月には135円が視野に入ると考えているが、足元の市場心理は南方向(ドル安)に向かっているように感じる。

その背景は、イ)米インフレ動向、ロ)テクニカルでみる調整の可能性、ハ)FRBの利上げシナリオの市場への浸透、ニ)米国ファンダメンタルズの見通し(リセッションの可能性)となる。

まずイ)インフレ動向であるが、本日のCPIが試金石第1号だ。これまで毎月のように記録更新で、先月は40年ぶりの高いインフレ率となった。今日発表予定の4月分は、市場のコンセンサスは、総合が+8.1%(前月+8.5%)、コア+6.0%(前月+6.5%)といずれも前月より下回る予想となっている。その通りとなれば、市場心理として、利食いのドル売りのきっかけになるだろう。「木は空まで伸びない」との言葉がある。ドル円(高値131.35円)は2002/4以来の、ドルインデックス(高値104.187)は2002/12以来の、それぞれドル高であることを認識しておきたい。

ロ)テクニカル面では移動平均線に注目したい。短期移動平均線(筆者は21日線を使用)を越えた3月8日(115.32円)以来、今日まで一日も割っていない。今日現在の同平均線は128.75円、スポットは130円近辺。まだ1円以上も乖離があるが、そろそろ割り込む可能性を考えている。それは、相場の変動サイクルを計る参考となるフィボナッチ線でも出てくる。高値131.35円(5/9)、安値115.32円(最初に日足が移動平均線を超えた日)で計算すると、最初のポイントは127.56円(23.6%)となる。前回の調整局面(4/20~4/26)の安値が126.94円であり、127円台前半があってもおかしくないとみている。

そしてハ)FRB利上げシナリオの市場浸透度であるが、今後2回(6月、7月)のFOMCでの0.5%ずつの利上げは、完全に織り込まれているだろう。今月中は中央銀行の政策決定会合のような大きなイベントはない(6月の同会合は9日にECB、14‐15日にFOMCで、BOJは16‐17日)。しばらくは、利上げを正当化する発言や経済指標が出ても、その反応は大きくないと考えられる。ただ、想定以上(0.5%でなく0.75%)の利上げを必要とするFRB理事や地区連銀総裁からの発言が続き、また好調を示す経済指標が出てくれば、そこで考えを変える必要がある。

最後に、ニ)米国ファンダメンタルズの見通し(リセッションの可能性)である。現在この問題についての警戒感が少しずつ増えてきている。金利上昇で、30年住宅ローン金利が5%を超えたことで、住宅市場が停滞する可能性や、ISM製造業景況感で3か月連続低下など、米経済の成長鈍化を懸念する声が出てきた。また米経済専門誌ウオールストリートジャーナル(WSJ)紙が定期的に行っている経済見通しにも警戒感の高まりが感じられる。今後12か月間でリセッションになる可能性は4月調査で28%となった。まだ低いように思えるが、1月調査は18%、1年前は13%であったことを考えれば、着実に増加していることがわかる。現在の足元にすぐに影響あることではないが、次に円安更新した後に円高への反転を考える時に大きな焦点になるだろう。常に動向を注視していきたい。

まずは本日のCPIに注目だが、今後1週間の相場レンジ予想である。ドル円は、CPIの低下(予想)を受けて128.50~130.50円と予想。一方ユーロドルは、1.0450-1.0700、対円では、136.50円-138.50円と予想する。また英ポンドドルは1.2200-1.2500とポンド安を予想する。

(2022/5/11 小池正一郎)

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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。


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