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第186回 ~ドル高の鍵握る世界の物価と米ファンダメンタルズ~

2016年03月02日

 2月10日以来の115円台が目の前に来ている。背景は米経済の持ち直し(下表)と原油価格の下げ止まりである。



 まずGDPは過去のデータとは言え、予想外に上方改訂(0.7%→1.0%)となり、経済の底堅さが意識された。またFRBが物価指数として重要視している個人消費支出(PCE)のコア価格指数が、年率上昇率が+1.7%と先月の+1.4%に比べ上昇基調を強めたことも注目される。市場への織り込み度合いは高くないが、FRBのターゲットは2%であり、今後の動向には注視していかなければならない。


 これに対し、日本とユーロ圏は米国とは逆方向に動いている。2/26発表の日本の1月コアコア(食料とエネルギーを除く総合)は、年率+0.7%と前月の+0.8%より下落。また昨日発表のユーロ圏の2月消費者物価もマイナス0.2%と予想外の下落。日米とも3月の新たな金融緩和への思惑が高まっていることで、相対的にドル高の圧力が強まってくる可能性がある。


 そして今月に入って米国の最初の指標が製造業購買担当者景況感(PMI)であった。実績が49.5と4か月ぶりに上昇、予想外の改善傾向が続いていることで株式市場も好感、市場のセンチメントの改善が意識されてきた。この流れを確定するためには、今週末の雇用統計で、NFPが予想を越え25万人以上増加することと、賃金の伸びが必要となる。


 一方、原油価格(WTI先物)は、昨日は34.76ドル(1バーレル)と1月28日以来の水準まで上昇、34.81ドルを超えると年初来高値である36.24ドル(1月6日)が次のターゲットとなる。加えて短期移動平均線(21日)も2月12日を底に上昇を続けており、中期線(89日、3/1現在36.08ドル)も視野に入ってくる。どちらの指標も36ドル越えが次の重要な水準となると見ている。


 今後1週間の相場レンジとして、ドル円は113.00-115.80円、ユーロは対ドルでは、1.0700-1.1000、対円では122.50-125.00と予想している。

(2016/3/2、小池正一郎)


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プロフィール

  • 著者近影 小池 正一郎(こいけしょういちろう)
    グローバルマーケット・アドバイザー。1969年日本長期信用銀行(現・新生銀行)入行後、資本市場部長、長銀証券常務などを歴任。1998年よりUBS銀行外国為替本部在日代表、シティバンク・プライベートバンクを経て、2006年より2015年6月までプリンシパリス.日本代表(国際金融政治情報コンサルティング会社、本部英国ロンドン)。外国為替コンサルタント、ファイナンシャル・プランナー(CFP(r)認定者)。ブログ執筆中(牛誰人のブログ・小池正一郎の世界経済大観)。新潟県出身(関川村ふるさと大使)。

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