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市場養生訓

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第795回

2019年12月03日

 世界にも流行語大賞があるとすれば今年は「分断」が選ばれるに違いない。政治はもとより多くの分野で言及された。最近の為替市場にも見られる。
主要通貨ユーロドルを中心とした安定した市場と南米を中心とした不安定な市場の分断だ。グローバライゼーションの先兵の為替市場は動きが世界的に伝播するのが一般的だったが、分断されたようだ。
 ユーロドルのボラティリティの低下は著しい。ディーラーや投資家にとって安定は飯の食い上げになり好ましくもないが、輸出入などに関わる実需の企業の財務担当にとっては良い状況だ。理由は多々あるだろうが、FEDをはじめ先進各国の中銀の金融政策が低位安定していることが背景にあるには違いない。
そもそも為替レートの安定はユーロ発足時の狙いの一つでもあった。為替変動の他にもテクニカルな要因もあった。ユーロ発足の前、欧州各国をそれぞれ通貨交換しながら回ると価値が半分になったと言われた。ビッドとオファーレートのスプレッド(買いと売りのレートの差)はキャッシュでは大きいのでこうなってしまう。
 単一通貨ユーロがこうした問題を解決した一方で、正反対の動きをした通貨群もあった。中欧の旧ユーゴスラビアの国々だ。ユーゴスラビアが解体され最終的に7か国が生まれたので通貨は増加した。ただ7つの通貨が生まれたわけではない。セルビアはディナール、ボスニアヘルツェゴビナは兌換マルク、クロアチアはクーナ、北マケドニアはデナル、スロベニアはトラールだったが、2007年にユーロを導入した。モンテネグロとコソボもユーロだが、EUに加盟していないから、ユーロの正式のメンバーではない。
 ただこうした国々のユーロとの結びつきは総じて強い。仕事を求めてユーロ圏に行く人が多く、大きな買い物はユーロ建てが多い。
そしてこうした通貨に対してのユーロのレートも比較的安定している。
 一方、南米ではアルゼンチンやチリではペソが市場最安値を更新し、先週は中央銀行が介入した。ブラジルでもレアルが売られ、中銀は市場介入の意思を表明した。ボリビアなどでも同様だ。いずれも政治状況が不安定だ。
昨日はトランプ大統領がアルゼンチンとブラジルに対して鉄とアルミ製品に対する追加関税の発動を発表した。通貨安が理由だ。アルゼンチンの場合は債券のデフォルト懸念があり、ブラジルは利下げが続いたことが通貨安の背景にあり、通貨安操作をしたわけではない。ブラジルの財務相が通貨安でも構わないと言ったことが引き金になった可能性はある。
介入で通貨下落は一時的には緩和されるだろうが、外貨準備も潤沢にあるわけではなく、政治状況が不安定である限り、通貨の下落が収まる見込みは薄い。
ユーロの安定と南米の不安定はしばらく続きそうだ。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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