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市場養生訓

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第870回

2021年07月20日

 今週はECBの会議が開かれる。新たな金融政策の方針決定後、初めての会議だ。インフレ率の目標である2%を多少超えても許容するとの方針だ。インフレ率が上昇してもすぐに引き締めに転じないとのシグナルだ。ただECB総裁は政策決定時の議論で異論が出ることを覚悟していると言った。国債購入の減額の早期実施の考えを持つブンデスバンクの総裁などを意識しての発言だ。
 このように金融政策を担う中央銀行のメンバーの中にも意見の相違はある。それは米国のFEDも英国のBOEでも同様だ。そしてその相違は次第に大きくなっているようだ。それは現在の市場の見方の反映でもある。市場と政策当局者の見方は相互に影響を受ける関係にある。
 現在の市場での見方とは次のようなものがある。一つは、インフレ率は今後上昇し、FEDの想定以上の水準になる。金融引き締め政策は後手に回り、想定以上の金利高になる可能性がある。ドルは大幅上昇の可能性。
 二つ目は、インフレ率上昇は一時的で、今年中は上昇しても来年からは低下し、2%前後に戻る。テーパリングは年末から来年初めにかけてスタート。利上げは来年後半から再来年前半に実施。当面ドルは堅調な動きだが、年終わりごろから下落に転じる可能性。引き締め策は年末までの相場に織り込むからだ。
 三つめは、インフレ率の上昇は短期に終息。長期金利の下落傾向が鮮明になり、景気減速の懸念が強まる。特に世界景気のけん引役の米国と中国での減速が影響。ドルは下落傾向を強める。
 ドル指数を見ると6月頃から上昇傾向が鮮明になっている。これはインフレ率の上昇に伴い金融引き締め時期の前倒し期待の強まりのためだが、ドルの上昇で深刻な影響を受けそうな懸念を持たれるのが新興国通貨だ。これは世界金融危機後の米国など先進国の量的金融緩和政策の転換時に発生したドルの上昇で新興国から資本が流出し、新興国通貨全般が大きく下落した。この記憶が鮮明だからだ。
 では今回も同様なパターンが繰り返されるのだろうか。必ずしもそうとは言えない。新興国に依然と比べて耐性が備わってきているからだ。それは外貨準備高の増加、ネットの対外債務残高の改善、新興国の最近の利上げでドルとの金利差が一定程度確保されることなどによる。
 だが新興国の中でも恒常的な経常収支の赤字国ではそうはいかない。資本流入が必要な状況でドル高による資本流出の圧力が強まるのは厳しい。大幅な通貨下落の可能性もある。つまり新興国通貨の選別が行われる。
 

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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