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市場養生訓

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第775回

2019年07月02日

 世界の外貨準備に占めるドルの比率は長期低下傾向が続いていたが、歯止めがかかった。逆にユーロの比率の増加傾向が止まった。これが一時的なリバランスのためで再び従来の傾向に戻るのか、それともトレンドの変化なのかは次の2,3期を見ないとわからない。世界の外貨準備の通貨構成のデータ(2019年第一四半期末)が発表されたので、ポイントを列挙する。

1.ドルの比率(61.82%)は前期(61.68%)よりも若干増加した。米国景気の相対的好調さと有事のドル買いに象徴される安全通貨としてのドルへの高まりが影響したことが考えられる。

2.ユーロの比率(20.24%)は増加傾向が続いていたが、前期(20.68%)よりも低下した。ドルに次ぐ地位にあるユーロはドルの受け皿としてドル離れの際は需要が高まることが多い。それに米国の経済制裁を支えるドルの力を痛感したEUの首脳たちはユーロの基軸通貨化を望む。だが具体策はなく市場に任せているのが実態だ。ドルとの差は大きく道のりは遠い。

3.人民元の比率(1.95%)は依然として2%にも満たないが、微増傾向が続いている。一帯一路政策に関連した新興国などの人民元保有が反映している。特にロシアなど米国の経済制裁を受けた国では人民元の保有が増加している。

4.円の比率(5.25%)は増加傾向が続く。前期(5.20%)に続いて5%台に乗せている。これは2001年以来の水準だ。安全通貨としての円の評価が主因だ。ポンドと三番手の位置を競ってきたが、このところ円がその地位を固めたように見える。

5.ポンドの比率(4.54%)は前期に比べ微増。3月のBREXIT期限の延長やこの時点では合意有りBREXITや投票のやり直しの可能性もあったことからポンドの比率を増やしたと推測される。

6.オーストライアドル(1.67%)、カナダドル(1.92%)スイスフラン(0.15%)の比率はほぼ固定されている。その他通貨の比率も同様だ。

以上です。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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