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市場養生訓

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第713回

2018年03月27日

 米中貿易戦争はジャブの応酬でとりあえず相手の出方を見る展開になった。それに呼応して市場はリスクオフトレードからリスクオントレードに転じた。

 為替市場では新興国通貨をはじめ、ユーロ、ポンドなどがドルに対して買われ、安全通貨としての円は売られた。

 中国は外資による過半数を超える証券会社への出資を認めること、自動車の輸入関税の引き下げ、半導体を米国から一層購入することなどを提案したようだ。それだけでなく来週にも銀行や保険会社などへの出資の規制を緩和することなどが見込まれている。

 ただ外資の金融業への参入の規制緩和は手続きに時間がかかることや半導体の輸入は韓国や台湾からの輸入を振り替えるものなので、米国がそれを無条件に受け入れるかどうかは不明だ。とりあえず中国が譲歩の姿勢を見せ、交渉が始まったと言うことだ。

 NAFTA再交渉での展開やそれに呼応してアップダウンを何度も繰り返したメキシコペソの動きを見ても、このままリスクオントレードが継続するとも思えない。交渉よりも抗争を好むトランプが当事者であることを忘れてはならない。

 ところで原油の先物市場が上海で始まった。人民元建ての取引だ。原油相場というとロンドンのブレントやニューヨークのWTIが国際指標として有名だが、ここに世界最大の原油輸入国になった中国がアジアを代表する指標を作り、価格形成の影響力を強めようとする。

 これには人民元建ての原油取引を増加させる狙いがある。中国はロシアやイランなどと原油の人民元建て取引について国際会議で議論していている。その先にはドル基軸体制からの脱却の狙いがある。

 ドルは現在、国際取引、外貨準備通貨、外為市場取引のあらゆる分野で圧倒的なシェアを占めている。ドル基軸体制の所以だ。代表的な国際取引の原油取引はほとんどドル建てだ。ここにくさびを打ち込みたい。

 人民元はSDRの構成通貨になり、外貨準備にも人民元の使用を増やすことを狙った。だが促進してきた資本取引の自由化のテンポが鈍り、人民元の外貨準備の割合は未だ1%ほどとなかなか増えない。

 人民元建ての原油取引も簡単には広がらない。人民元の為替リスクをヘッジする市場が限られていることなどがあるからだ。

 そうはいっても中国は長期的な構想の下、いろいろな手を打っている。一帯一路もそうだが、いつかそうした多くの支流が一本の本流となることを期待しているのだ。

 米中貿易戦争は時間が経てば有利になる中国と短期決戦型の米国の戦いでもある。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。

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