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市場養生訓

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第760回

2019年03月05日

 トランプ大統領がFED批判を繰り返した。週末の保守派の会合でだが、名指しは避けていたがFED議長のパウエルに向けられたものとわかる言い回しだ。

 これまでの金融引き締め策とドル高の批判だ。ドルは米国のビジネスが円滑に進む水準であるべきとの主張だ。

 市場の反応だが、為替ではドル売りが増えたが長く続かず、戻した。金融市場でも最初は多少の影響はあったものの目立つことはなかった。フェドファンドの先物から類推する市場の金利見通しも、来年1月までは現行水準の2.25―2.50%が続く可能性が圧倒的であることに変化はない。

 しかしおかしな話だ。トランプ政権はBREXIT後のイギリスとの貿易交渉でも為替条項を入れる方針を明らかにした。相手国の通貨安をけん制するためだ。貿易交渉進行中の中国とも、既に締結した新NAFTAでも韓国とのFTAでも同様だ。日本との交渉でもその主張は変わらないはずだ。

 変動相場制を採用している国で政府・中銀が為替レートを操作するには為替の市場介入、金利政策、諸規制(資本取引など)がある。一方で通貨安競争は止めようとの了解が各国間にはある。

 だが実際には日本は2000年代前半に円高阻止のため巨額市場介入を繰り返した。世界金融危機後は米国が量的緩和政策を実行し、ドル安を実現させた。その際はブラジルの財務大臣が米国を通貨安競争の元凶だと非難した。ただその非難は広がらず、金融政策の結果としての通貨安は容認された。それは通貨安を直接目指したものではないという理屈だった。

 そして現在米国の大統領は金融政策の結果としてのドル高は容認できず、通貨安を目指した政策を望むことを明言している。

 つまり為替政策に関しては米国が都合のいいように利用しているのだ。事情に応じて本音と建て前を使い分ける。中国は管理変動相場制なので建前の部分では弱く、為替では勝負できない。

 基よりこのようなことが可能なのは世界のシステムがドル基軸体制であるからだ。

 ところでトランプ発言の為替市場への影響はあまりなかったが、金利差はトランプよりも強し、と言うことだろう。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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