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市場養生訓

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第765回

2019年04月09日

 英国の金融当局が今月から一部のデリバティブ商品の取引を禁止した。それはバイナリーオプションと呼ばれるものだ。為替に関しては通貨オプションの一種だが、近い将来のレートが定められたレートより上がるか下がるかで損得が決まる商品だ。金融商品の体裁をとっているが、博打と同じで投機性が高く、投資家を保護するためとの当局の見解だ。今回は一時的な措置ではないので今後バイナリーオプション取引が復活する可能性はない。

確かにバイナリーオプションは単純で投機性が高いが、金融商品に投機性は付き物であり、どこで線引きするかは容易ではない。例えば流動性の低い通貨の実需でない為替取引も投機性は高く、投資家の損失可能性は大きい。

最近のポンドも流動性は低く、新興国市場通貨化をしているとも言われるほどだ。BREXITの先が見えないため、取引を控える傾向があるからだ。

こうした不確定要因に支配された市場では、投機為替の取引量は減る。実需為替のヘッジ取引が中心になる。先物為替や通貨オプションを使ってヘッジする。

例えば英国の輸出業者が4か月の輸出債権をヘッジするには4か月の先物のドル売りポンド買いの為替予約を銀行と締結する。

BREXITは結果次第で大きな変動が予想されるが、先物為替でヘッジするとポンドが大きく下げた(ドルの上昇)場合、そのメリットを享受できない。それを享受したい人は通貨オプションを買ってリスクをヘッジする。ドルのプット(売る権利)、ポンドのコール(買う権利)の通貨オプションの購入をする。ポンドドルが大きく上昇した場合はオプションの権利を行使して、あらかじめ決めたレートでポンドドルを買う。逆にポンドドルが大きく下落した場合、オプションは行使しない。市場でポンドドルを買う。つまり為替リスクはヘッジされ、為替変動のメリットも享受できるヘッジ方法だが、これにはコストがかかる。オプション料(プレミアム)だ。BREXITのようなイベントを控える市場では特にプレミアムは高くなる。ポンドのオプション取引は活発だったが、オプション料が高くなるに従い取引は減ってきた。

オプションでリスクはヘッジしたいが、プレミアムをもっと安くしたい、あるいは払わないで済む方法はないかと望む人には、レンジ・フォワードというオプションがある。これはオプションの売りを組み合わせることでプレミアムを減らす方法だ。売りの組み合わせの仕方によってはプレミアムがゼロになるゼロコストオプションも可能だ。商品の具体的なスキームは省くが、うまい話のように聞こえる。そこには裏がある。このケースではオプションの売りを組み合わせているので相場展開によっては新たなリスクを負わざるを得なくなる。

日本でもレンジ・フォワードが流行ったときがあり、輸出業者がドル円の上昇で日々ドル買いを強いられたことがあった。

一方でBREXITの影響で債権債務の額が決まらない業者もいる。そうした業者はヘッジ取引をしない、あるいは金額を想定して部分ヘッジする。いずれも為替リスクを負わざるを得ない。

現在のポンドン市場はこうした様々なリスクやポジションが組み込まれていて爆発を待っているのだ。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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