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市場養生訓

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第768回

2019年05月07日

 長いゴールデンウイークで休み疲れの感もあるが、市場は休みとは無縁だ。この間もFOMC、米国の雇用統計、中国の輸入品への関税引き上げに関するトラップのツイッター、などが市場を騒がせた。

 FOMC(米連邦市場公開委員会)後の記者会見でFED議長のパウエルは、低インフレは一時的とし、当面は金融政策のスタンスを変えることがないことを示した。1月の利上げ政策からの転換以降、低インフレの構造的要因への関心を深めたと見た金融市場参加者は年内の利下げを織り込み始めていた。その点ではサプライズだった。フェドファンドの先物レートから類推する年内の利下げの可能性は1週間前には65%ほどあったが、先週末には50%以下に低下した。ただトランプのツイッター後の昨日は再び利下げの可能性は50%を超えてきた。

 トランプ政権は相変わらずFEDに圧力をかけている。それも次第に露骨になってきた。トランプは1%の利下げと具体的な数字を持ち出したし、雇用統計の発表では失業率3.6%と49年ぶりの低い水準を記録したが、発表後でも副大統領が利下げを求めた。

 ただこうした出来事が続くわりに外為市場の変動は全体としては穏やかだ。ボラティリティー(変動率)も低水準が続いてきた。こうなると投資戦略も一様ではない。ゴールデンウイーク前に日本の生命保険会社が投資戦略の概要を明らかにした。日本の生命保険会社はSEIHOとして90年代の市場では世界的に注目された市場参加者だった。

 保険料として徴収した円の運用が主な目的だが、より高い運用を求めて為替リスクを取ることもある。例えば米国債の投資だ。10年物の米国債のイールドが2.5%で円債が0.1%とすれば、2.4%だけ有利になる。但し為替レートが米国債を買ったときと満期で売却したときが同じならばだ。ドル円の為替レートが2.4%以上下落すればこの投資は失敗になる。これを避けるには為替リスクをヘッジする。投資の時点で10年間の為替リスクを完全にヘッジすれば理論的には円債投資と同じになる。つまり意味がない。そこで為替リスクのヘッジは短期間にしてヘッジコストを減らしたりする。あるいはヘッジしたポジションを、タイミングを見て外し、その後再度ヘッジする。あるいは債券価格と為替レートを見て有利ならば中途売却をする。

 生保が投資するのは米国債だけではない。イールドの高い欧州の社債などに積極的に投資する会社もある。基本的には為替ヘッジ付きだが、それも上記のようにいろいろな方法がある。

 要は低金利の時代、イールドを上げるには為替リスクか信用リスクを取ることになるが、それをどのような方法でとるかでパフォーマンスは大きく変わる。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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