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市場養生訓

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第772回

2019年06月04日

マネーパートナーズからのお知らせ:6/11(火)は筆者都合により休載します。次回更新は6/18(火)の予定です。

 リスクオフの時に買われるのは、信用力の高い国債や通貨で言えばスイスフランや円などが安全通貨/避難通貨として代表的だが、ドルもこの範疇に入るケースもある。「有事のドル買い」と言う言葉が市場で流行ったのはアフガン戦争から湾岸戦争の初期ぐらいだが、最近もそうした面がある。スイスフランは対ユーロでは上昇トレンドは強いが、対ドルではそれほどでもないことがその証左だ。他には金もリスクオフの時に需要が増えるのがこれまでのパターンだ。

 金価格は直近で1オンス1325ドルくらいで、先週末からようやく1300ドルを超えたが、全体としての変動幅は大きくない。国債、円、スイスフランなどが買われている割にはどこか動きが鈍いのだ。

 金価格はドル安が急激に進むときやインフレの高進など通貨不信が広がる時に特に需要が増える傾向がある。その点では現在それほど金価格が上昇してないのもそれなりの理由はある。それにこれまで積み上げた金のETFのポジション整理の売りもある。

 一方でロシアや旧ソ連諸国や中国などは外貨準備への金の組み入れを着実に増やしている。ドル一極体制を何とか崩したい狙いがあるからだ。ドルからユーロ、円などへのシフトの一環だが、全体としてのポジションは大きくない。

 直近の金価格が上昇傾向にあるのは、貿易戦争の長期化やグローバル経済の悪化の見通しが強まったことによる不確実性の上昇のためだが、もう一つある。

 FEDの新たな理事候補のためだ。トランプ大統領は最近二人のFEDの理事の指名に失敗している。キャリア不足やスキャンダルなどで議会の承認が得られそうになかったからだ。新たな候補は欧州復興開発銀行の米国代表だが、彼女は米国では珍しく金本位制の信奉者だ。戦後のIMFを中心とした国際金融体制を抜本的に改革することを主張している。金の復活だ。

 他にも彼女はFEDの政策金利の決定権限を否定している。金利の決定は市場に任せるべきで一握りの人間が決めるべきではないという考えだ。

 ただFEDのバランスシートの大幅な削減も主張していて、この点ではトランプ大統領とは考えが違う。既に議会の承認が必要な公職についており、FEDの理事の承認を議会が拒否するのは難しいと言われている。

 面白いがとんでもない候補とも言える。こうしたことを含めて不確実性は一層増すばかりだ。それもまた金価格の上昇の一因になる。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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