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市場養生訓

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第777回

2019年07月16日

 「Don’t fight Fed」(フェドに逆らうな)は市場の格言の一つだ。為替市場では中央銀行の介入があるが、フェドの介入が出たらそれに合わせろということだ。フェド以外の中央銀行、例えば日銀などの介入では逆らっても勝機はあるが、相手がフェドの場合は撤退が望ましい。

 金融市場でも同様だ。米国の金利を決定するフェドは市場の力の源泉だ。世界の基軸通貨ドルのコストを決めるフェドはそれだけ市場からの信用も厚く、議長をはじめとするメンバーの言動は最高のリスペクトの対象でもあった。

 だが現在はどうだろう。金融市場ではフェドのメンバーの見解を無視して利下げ見通しを深めてきた。最近ではフェドのメンバーも利下げに傾いてきたが、金融市場では利下げ見通しを一層強めている。

 直近の雇用統計や物価指数で利下げにブレーキがかかるような数字がでても、見方に変化はない。フェドは金融政策決定に当たり、グリーンスパン以降データ重視を強調してきた。だが先日のパウエルの議会証言ではデータよりもリスク重視する姿勢に転換したようだ。貿易戦争、BREXIT,海外景気などが企業の投資などに与えるリスクだ。

 このリスクがどの程度のものかは計り難い。データはなく将来の不確実性に左右されるからだ。ただ市場の指標はある。

 一つは債券市場でのマイナス金利の広がりだ。日本、ドイツ、フランスなど先進国の国債ばかりでなく、チェコなどの中東欧諸国にも広がりつつある。また国債ばかりでなく社債にも同様な動きがみられる。イールドの著しい低下は景気の低迷や市場のリスクプレミアムの低下を反映する。

 もう一つはイールドカーブの逆転現象だ。ユーロドル3か月ものと10年債のイールドは長期が短期よりも低い逆イールドになっている。これは先々の景気悪化の反映と解釈することもできる。

 フェドもこうした市場の指標に影響されているはずだ。もちろんこうした市場の動向が行き過ぎで誤っていると見る人もいる。だが誤っているにしては度が過ぎているように思える。その計り難いリスクにおびえ、備えるために予防的に利下げをするというパウエル議長の判断も無理からぬことだ。

 「フェドに逆らうな」に忠実だった為替市場の参加者たちはどこへ行ったのだろうか。


※当コラムは毎週火曜日の更新です(火曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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