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市場養生訓

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第785回

2019年09月10日

 今週から来週にかけて中央銀行の金融政策を決める会議が続く。今週はECB(欧州中央銀行)の政策理事会、来週はFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀の政策決定会合が開かれる。

 FEDは前回7月のFOMCで0.25%の利下げと資産縮小終了の前倒しを決めたが、今回も0.25%の利下げの可能性が高い。少なくとも金融市場の参加者のほとんどはそう見ている。直近のフェッドファンドの先物市場のレートから判断すると来週0.25%の利下げの可能性は94%にも及ぶ。その後も12月までにさらに0.25%以上の利下げの可能性が80%近くもある。

 もし今回も含めて年内2回の利下げならフェドファンドの目標レートは12月には1.50―1.75%になる。現在の米国債10年物のイールドは1.65%だが、この水準が続くとすると、イールドカーブはなかなか正常な順イールドにはなりそうもない。つまり景気の先行きはあまり芳しいとは言えないとの解釈もできる。

 今回の会議の中で最も注目されるのは今週のECBの会議だ。前回の会議でドラギ総裁は年内の金融緩和の姿勢を強く示したが、彼の任期は10月までで11月からは現在のIMF専務理事のラガルドが就任予定だ。政策理事会は10月の後半にもう一度あるが、言葉通り金融緩和政策を実行するなら辞める直前よりも今回との見方が強い。

 ECBの金融緩和の方策としては主に4つある。利下げ、量的緩和の再開、金融機関への低金利の長期貸付、それにフォワードガイダンスの強化だ。

 利下げは中銀預金金利のマイナス金利の深堀りになるが、現行のマイナス0.4%からマイナス0.5%程度への利下げの見方が多い。ただマイナス金利の深堀は金融機関への打撃があるので、緩和策として金額に応じて段階的に適用金利を変える案もある。

 注目は主に国債購入による量的緩和の再開だが、これには理事会の中でも反対者が複数いる。ドラギ総裁は再開に意欲を持っているので実行される可能性が高いが、金額は前回よりも小さくなる可能性がある。

 ただ債券市場で国債のマイナス金利が広がっているように、量的緩和は既に市場である程度織り込んでいる。量的緩和が実行されなかったり、金額が期待よりかなり小さければ失望で売られることになる。(イールドの上昇)

 新任のラガルド新総裁は、景気刺激策には既に限界に近い金融政策よりも、財政政策に期待すべきとの考えだ。その点ではユーロを守るためには何でもやるとして名を馳せた、金融政策の力を信じるドラキ総裁とは違う。つまり今回(あるいは来月)思い切った金融緩和策のパッケージを打ち出さなければ、市場環境は変わる可能性がある。為替レートも当然そうした状況に応じて影響を受ける。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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