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市場養生訓

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第789回

2019年10月08日

IMFから今年第二四半期末の世界の外貨準備の通貨構成が明らかにされた。そこから読み取れるポイントを列挙する。
1.前期ドルの割合は若干増加したが、それは一時的であったようだ。ドルの割合(61.63%)は2013年以来の低水準で、このところ低下傾向が続いている。米国のドルを梃子にした経済制裁がドル離れを促していることが外貨準備にも反映されている。今のところ全体としてはドル高が続いているので目立たないが、ドル安傾向に転換し60%を切っていくと、それがドル安を加速する要因にもなり得る。

2.ユーロの割合(20.35%)は2015年を底に徐々に増加してきたが、増加の勢いは大分弱まってきた。本来はドルに次ぐ通貨として、ドルの受け皿の役割を担うはずだが、その点に多少の陰りが出てきたと見ることもできる。

3.人民元(1.97%)は増加傾向が続くがそのスピードは緩慢で、割合はカナダドルとほぼ同水準で依然として小さい。これは中国の資本取引の自由化のスピードが緩慢なことと軌を一にしている。

4.円の割合(5.41%)の増加傾向が続く。安全資産としての円の認知度が市場で深まったこともあるが、ドルからのシフトを軸にした通貨分散の中でユーロに行くべき部分が円や金にシフトしているとも考えられる。

5.ポンドの割合(4.43%)は現行水準で安定している。BREXITの影響はまだ見られない。と言うより最新のBISの外為市場調査でロンドン市場の取引高がどの市場よりも増えて世界の取引高の4割以上を占めることが判明したように、ポンドもBREXITがどんな結末になってもあまり影響を受けないのかもしれない。

6.オ-ストラリアドル(1.70%)、カナダドル(1.92%)、その他通貨(2.44%)はほとんど変化がない。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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