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市場養生訓

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第827回

2020年08月18日

 市場は多様な見方が価格に集約されたものだ。シカゴの先物市場が創設された時、いかに投機的取引を呼び込めるかが成功のカギになると言われた。すべてがヘッジ取引だけなら価格は一方向に大きく変動しやすい。そこで多様な見方を持つ投機取引を増やすことで価格の変動は抑制され、ヘッジ取引のコストも減少すると考えられた。市場の厚み、市場の流動性の拡大は多様な見方の参加者が存在すればこそ成立する。それが健全な市場の役割であり、意義でもある。
 このところ米国の短期金利の指標であるフェドファンドの先物市場はこうした多様な見方の市場参加者の存在とは無縁のようだ。先々のフェドファンドレートの見通しは一律に現行水準(0%-0.25%)が続くとみなしている。市場参加者の100%が同じ見方だ。まるで統制された市場のようだ。本来の市場機能が喪失されているとも言える。つまり異常事態だ。
 こうした市場状況がベースになって実体経済と乖離した株価が形成されたり、変動の少ない為替レートが生まれたりしている。ただよく見ると為替レートは主要通貨に対してドルは徐々に減価している。それはドル指数にも反映されている。
 スイスフランはこうした状況を明確に反映している。ドルスイスフランは直近で0.9050だが、ドルに対してスイスフランの年初来高値水準だ。中央銀行が特に対ユーロでスイスフランの売り介入を何度か実行してきたにもかかわらずだ。
 スイスフランと円は似た点が多い。市場では両通貨とも安全通貨あるいは避難通貨として認識されている。キャリートレードにおける資金調達通貨でもある。金利水準は低く、マイナス金利を採用している。工業国で経常収支の構造も似ている。
 両通貨とも3月に対ドルで上昇した。フランは0.91台、円は101円台までドルが売られた。だがその後フランは最高値を更新している一方で、円は直近で105円台と、異なる軌跡を描いている。
 こうした違いはどこから生じるのか。あるいはどちらが市場の全般的トレンドを反映しているのだろうか。
 最近為替にも影響を与えることが多いコロナウイルスの影響を見ると、スイスの感染者数38000人ほど、死者数1700人ほど。日本はそれぞれ57000人ほど、1100人ほど。人口比(スイスの人口850万人)で見る限りスイスの影響の方が大きい。しかしスイスフランは年初来高値を更新している。スイスフランは円よりも投機為替の割合が多い。つまり市場のトレンドに敏感な通貨とも言える。もしスイスフランの動向が市場の先行きを反映する指標として円より優れているとするならば、ドル円が100円に近付いてもサプライズではない。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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