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市場養生訓

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第845回

2021年01月12日

 新年がスタートしたばかりだが、昨年と変化したことの一つにドルのイールドカーブ(利回り曲線)がある。昨年はイールドカーブのフラット化(短期と長期の金利水準がほぼ同じレベル)や逆イールド(長期金利が短期金利を下回る水準)がよく話題になった。
 イールドカーブは一般的には順イールド(長期金利が短期金利を上回る水準)が多い。将来の不確定要因を反映するからだ。景気の上昇傾向が見込まれるときも資金需要が旺盛になるので順イールドになる。
 最近のドルのイールドカーブを見ると順イールドの傾向が強くなっている。米国債の2年物(短期金利の動向に敏感)と10年物の差は100ポイント(1%)に拡大している。
 特に今回のイールドカーブの特徴は、金利水準全般が上昇する中で順イールドの傾向が強まるのではなく、長期金利だけが上昇することで見られる形状だ。こうしたイールドカーブの変化は為替レートにも影響を与える。
 為替変動要因としての金利は長期も短期もある。一般的には長期金利の変動は長期の資本移動に変化を与えることで為替レートに影響する。例えば生保などの機関投資家の外債投資などだ。短期金利の変動は銀行ディーラーなどの為替ポジションのコスト(スワップコスト)の変化を通して為替レートに影響する。
 現在のドル上昇局面の持続性は長期金利の上昇がどこまで続くかによる。長期金利上昇の背景にはバイデン新政権の財政支出の拡大による景気回復、財政赤字拡大見込みがある。それにインフレ率上昇見込みもある。これらはバイデン政権の政策の実現性によるが、上院も民主党が抑えたことで実現性は高まった。つまり長期金利上昇圧力は強くなった。
 一方でFEDは現行の量的緩和政策を遂行する中で長期債の購入をしている。長期金利抑制要因だ。今後長期債購入額の増額や期間の長期化を図れば一層の長期金利抑制作用が働く。その点でFEDの政策スタンスがポイントになる。
 さらに低金利で運用難にあえぐ機関投資家はドルの長期金利上昇で米国債の購入を増やす可能性が高い。同様に多くの国の外貨準備の運用者も増加傾向が続く外貨準備の分散投資の一環で米国債の購入を増やす。(割合は減少しても絶対額ではドルの増加額が最も多い)これらはドルの長期金利の抑制要因になる。
 短期金利の方は、より低く、より長く続けるとしたFEDのスタンスに今のところ変化はなく、金融市場参加者の見方を反映する市場レートもゼロ金利の継続を示している。
 以上の点を総合的に考えると、長期金利のみを反映したドル上昇には限界がある。ドルの上昇が持続するにはインフレ率の上昇が際立ち、短期金利にも上昇圧力が加わり、結果としてFEDのスタンスの変化を促す局面になる必要がある。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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