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市場養生訓

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第850回

2021年02月16日

 海外メディアで日本が取り上げられることが格段と少なくなる中で、東京五輪組織委員会の会長の女性差別発言に続いて海外ニュースのヘッドラインを飾ったのは、日経平均が3万円の大台を超えたことだ。1990年以来だ。
 世界の多くの国でコロナウィルスとの闘いの出口が見え始めたとの機運が広がってきた。
 先週はG7の財務相会議で、米国の財務長官が財政支出の拡大を訴えた。同時に米国が国際協調路線に復帰することを強調した。コロナ対策を始め気候変動や多国籍企業への課税などでの協力だ。こうした点も市場のセンチメントを明るくしている。
 欧州でも同様だ。先週発行された欧州委員会のレポートによれば、欧州経済は来年中旬までにはコロナ前の水準に戻る見通しだ。以前の見通しでは2024年以降としていたから大分前倒しになった。昨年のGDPはマイナス6.8%だったが、今年は3.8%の伸び率、翌年もほぼ同水準の成長見通しだ。こうした見通しの変化の主な要因はワクチン接種の展開が大幅に改善することだ。全てはワクチン頼みと言うことだが、70%の成人が夏までにワクチン接種を受けることが前提になっている。この点は世界に広がるポジティブな機運の大きな危うさである。
 それに現行の拡張的な財政・金融政策の維持も前提になっている。この点にも危うさはある。ブンデスバンクの総裁でECBの理事でもあるワイトマンは金融引き締めの可能性に言及した。ドイツのインフレ率は昨年12月がマイナス0.7%、今年1月がプラス1.6%と急上昇した。今年のインフレ率は3%以上になる見通しだ。ECBは2%のインフレ率を目標にしているので、こうなれば当然引き締め政策に転じる必要がでる。だが今回のインフレ率の上昇は一時的な要因による。一時的にカットした付加価値税の戻りや炭素税の新たな課税などだ。
 ブンデスバンクの総裁は一時的な要因に同意しつつも中長期的なインフレ上昇傾向に懸念を示した。彼は財政政策にも言及し、財政規律の復活を主張した。コロナ対策で昨年停止した財政赤字の限度額を戻すことだ。
 彼はブンデスバンクの遺伝子を引き継ぎ、インフレの上昇に繋がるような政策にはいつも懸念を示す。ECBの量的金融緩和政策の遂行の中でも反対することが少なからずあった。ECBの前総裁ドラギや現総裁ラガルドにも異を唱えることがあった。
 実際にインフレ傾向が強まりブンデスバンクの考えがECBに与える影響が大きくなれば、米国の財務長官やFEDの議長との対立が生まれる可能性が出てくる。80年代から90年代にかけて米独のインフレや金融政策を巡る対立はG7で大きな議論になり、ブラックマンデーの背景にもなった。ドル安の構造的要因にもなった。
 その点では欧州(特にドイツ)のインフレ率の動向には注意する必要がある。

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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