FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

市場養生訓

最新の記事

第852回

2021年03月09日

 金融緩和政策を続けている中での長期金利の上昇に対して、主要中央銀行の間で政策の差異が出てきた。
 米国のFEDは長期金利の上昇を放置のようだ。FEDの議長は議会で長期金利の上昇に対する対策については言及しなかった。ECBは先週も国債購入額増加のペースを落とした。先々週に続くペースダウンだ。長期金利の上昇が続いていたので通常の増額ペースに戻る見方もあったが、長期金利の上昇を放置した形だ。
 一方、日銀は長短のイールドカーブコントロールを堅持し、長期金利の上昇を抑制する姿勢を示した。総裁が主張し、副総裁は長短金利の引き下げの可能性にすら言及した。
 こうした差異は金融緩和政策の出口戦略の相違にもつながる。世界金融危機後に先進諸国が金融緩和政策を導入したときのタイミングや規模の差異は為替レートにも大きな影響を与えた。米国は一度出口戦略を始めたが再び緩和政策に戻ったところでパンデミックに見舞われ、緩和政策を強化した。ECBと日銀は出口戦略に向かうチャンスをつかめない中でパンデックに遭遇し、緩和策の維持強化を迫られた。マイナス金利政策も継続した。
 今回の局面では日銀が最も明確なメッセージを伝えた。日銀は金融政策の総点検をし、来週の金融政策決定会合でその内容を明らかにする予定だ。次はFEDだ。バイデンの新たな大型景気刺激策が加わり、コロナ後の景気回復期待とインフレ懸念が長期金利の動向を左右する。ただし期待と懸念はパンデミックの終息が前提だ。5月中に成人のワクチン接種が完了の予定らしいがそれでパンデミックが終息するのかはわからない。ECBは曖昧なところがある。ECBの理事の中には長期金利の上昇を抑制すべきと主張する者もいて、政策決定は一枚岩ではない。景気回復が思わしくないことを示す経済統計が発表されても国債購入のペースを戻さなかったのはドイツの理事を中心とするタカ派が勢力を伸ばしてきたからかもしれない。その辺のことを含めて今週木曜日の政策理事会ではっきりとした方向性が打ち出されるかもしれない。
 いずれにせよ、以上の中央銀行の差異を為替への影響からみれば、円売りが一番明確だ。通貨ペアでは、円売りドル買い、円売りユーロ買い、ユーロ売りドル買い、という順番になる。

このページの先頭へ

2021年04月13日
2021年04月06日
2021年03月30日
2021年03月23日
2021年03月16日

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意
パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会