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市場養生訓

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第853回

2021年03月16日

 市場注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)が今日明日の2日間開かれる。最近の長期金利の上昇に対して抑制姿勢を明確に示すのか、寛容な方向を示すのか。それにより市場は金融緩和の継続時期が前倒しなるかどうかのヒントを得ようとする。
 今週の注目はFOMCほどではないが、トルコの金融政策会議も無視できない。トルコ中銀が再び利上げをするかどうかによりエルドガン大統領の豹変度が本物かどうかの判断がつく可能性があるからだ。
 「君子豹変す」。エルドガン大統領ほどこの言葉にふさわしい人物は最近では見当たらない。インフレ抑制のためには利下げをするべきとの独自な考え方で、通貨リラが下落してインフレ率が上昇しても利上げを嫌う。中央銀行が利上げをするとその決定を非難し、時には総裁を首にしてきた。娘婿を財務大臣にして経済・金融政策の司令塔にして自説を実行させた。
 ところが昨年11月に娘婿の財務大臣を更迭して、彼と対立してきた人物を中央銀行総裁に就けた。従来の政策からの転換を計り、大幅な利上げに踏み切った。政策金利を10.25%から15.0%へと大幅に引き上げた。続いて12月も2%引き上げた。1月、2月の会議では据え置き、現在の政策金利は17%だ。
 トルコリラの推移を見ると、対ドルで8.5を超えていたドルリラは、利上げへの転換でドル安リラ高が進み、2月には7.0を超えた。ただ1月に続き2月も金利を据え置いたこともあり、その後ドルリラは戻り基調を示し、7.7を上回る水準まで買われた。現在は今週の会議で利上げ見込みもあることから7.53台で推移している。
 トルコの政策転換の背景には切羽詰まった状況があった。リラ安が続き、外貨準備は急減した。それが資本流出を促し、リラ安を加速させる悪循環に陥った。小手先の外貨準備補填策は市場に見透かされ、打つ手がない状況に追い込まれた。経常収支の赤字構造のトルコには海外資本の流入が不可欠だ。そのためには市場の信頼を得る政策が必要になる。
 現在15%ほどのインフレ率が下がっていけば利上げの必要性は薄れるが、高水準のインフレが続けば高金利を続けなければならない。高金利の継続は国内政治的には難しい面もある。だが市場はエルドガンの豹変が本物かどうかでリラの売買を決める。
 「君子豹変す」は本来良い意味で使われた言葉だ。君子は過ちをすぐに認め正しい方向に向かう。状況に柔軟に対処して自説に固守しない。だが最近では節操がない、考えをころころ変える、すぐにブレる、といったネガティブなニュアンスで使われることが多い。エルドガンはどちらの君子なのだろう。
 これは長期金利の上昇局面に対して主張が一貫しているように聞こえないFOMC議長のパウエルにも当てはまる。そんな観点からも今週のFOMCを見てみたい。
 

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プロフィール

  • 著者近影 小口 幸伸(おぐちゆきのぶ)
    1950年生まれ。通貨・国際投資アナリスト。 元ナショナルウェストミンスター銀行国際金融本部長。 横浜国立大学経済学部卒業後、シティバンク入社。変動相場制移行後間もなく為替ディーラーとして第一線で活躍。シティバンクのチーフディーラーとなる。その後ミッドランド銀行為替資金本部長を歴任。


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