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第522回 一旦はドルや日米株価に自律反発の動きも…

2016年02月15日

 先週はドル/円が一時111円割れとなり、日経平均株価が終値で1万5000円を割り込むなど、あまりにも荒れ狂った展開に正直驚きを隠せない週となった。

  週末12日の欧米市場では少々落ち着きを取り戻す動きも見られ、NYダウ平均が大幅反発、NY原油先物価格も急反発し、CME日経平均先物も12日の大証終値比で+650円と水準を大幅に切り上げたが、今週は中国が連休明けとなることが一つのイベントリスクであり、なおも油断の許されない状況が続く。もちろん、中国人民元や上海株が比較的落ち着いた展開になりさえすれば、ドルや日米株価などが自律反発の動きを見せる可能性もあり、そこは大いに期待したいところでもある。


 何より、やはり2月に入ってからの日経平均株価の下げ方は、どう考えてもあまりに異常と言っていいだろう。水準という点では、いずれもう一段の下値を試す可能性もないではないものと思われるが、少なくとも今回の下げはスピードが速すぎて、ボラティリティ-が高すぎる。今週からは一定のリバウンドが生じておかしくないと思われ、それは以下にあげる幾つかの点に注目するが故である。

  ①昨年8月半ばに2万0900円台の高値を付けてから半年が経過し、先週は信用期日到来による処分売りが膨らんだが、今週以降は峠を越える。

  ②先週は少なからぬ個人投資家のポジションに信用取引や株価指数先物取引における追証が派生したころで、半ばセリング・クライマックスの様相を呈した。

  ③1万6000円や1万5000円をノックイン価格とする日経リンク債のノックインを狙った売りが仕掛けられた可能性があり、すでに売り方は目的を果たした。

  ④日経平均ボラティリティ―・インデックス(VI)が50ポイントにまで上昇し、昨年8月の最高水準を上回った。


 他にも、日経平均採用銘柄の株価純資産倍率(PBR)が1倍割れとなったことや配当利回りが2%近くにまで達していることなどに注目する向きもあるが、これらの点については今後、各社の純資産が目減りしやしないか、配当予想が下方修正されやしないかなどといった点を確認する必要もあろう。

 とにもかくにも、日経平均株価のダダ下がり状態に一旦歯止めがかかれば、ドル/円も一定の戻りを試す可能性が高いと見られる。先週の週足ロウソクが終値で一目均衡表の週足「雲」下限を下抜けたことは大いに注目に値するが、この週足「雲」下限が位置する水準(115円より少し手前あたり)は当面の戻りメドの一つと言えるだろう。

 周知のとおり、先週はUAEのマズルーイエネルギー相が「OPECは強調して減産する用意がある」との発言をしたと伝わる。まずは、その真偽のほどを確認する必要があるだろうが、場合によっては市場の緊張が少し緩み、リスク回避ムードも少々和らぐ可能性はある。また、麻生財務相は「2月下旬のG20財務相・中央銀行総裁会議で昨今の金融市場の状況を踏まえた政策協調について検討を進めたい」と述べており、今週から2月下旬に向けて市場の期待が強まる可能性もあろう。


 仮に、一旦は市場のリスク回避ムードが和らぎ、日米株価やドルが一定の戻りを試す展開となった場合、その一方でユーロ/ドルは一旦反落する可能性もある。ユーロ/ドルは先週、一時1.1378ドルまで急激に上昇しており、そうでなくともスピード警戒感は強い。当然、急激なユーロ高の進行に対してはECBも警戒を強めていることだろう。
(02/15 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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