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第693回  来年の米景気を楽観視する向きが増えている!?

2019年12月23日

 前回更新分の本欄で、ドル/円について「109.40円処を軸として109.20-60円のレンジでもみ合うことを想定」と述べた。そして案の定、先週のドル/円の値動きは、ほぼ想定通りとなった。指摘した通り、先週はドル/円の週足ロウソクが一目均衡表の週足「雲」の中に潜り込むと同時に、上値は62週移動平均線が押さえるような格好となったのだ。
むろん、先週のドル/円が小動きに終始したのは、何より手掛かり材料に乏しかったことが大きい。と言うより、英総選挙の結果が判明したことや、米中貿易協議が第1段階での合意に達したことなどによって、当面の手掛かり材料が一旦「出尽くし」になったということであろう。結果、クリスマス休暇ムードが前倒しで訪れるような状況となり、基本的には様子見ムードの強い展開が続くこととなった。

 とはいえ、米株価の値動きは相変わらず好調で、先週20日も主要3指数及びフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)などは史上最高値を更新する動きとなった。
同日発表された7―9月期の米個人消費(確報値)が前年同期比+3.2%と予想以上に伸びたほか、11月のPCEコアデフレータが前年同月比+1.6%と事前の予想を上回った(前回は+1.6%を+1.7%に修正した)ことなどを受け、市場では来年の米景気を楽観視する向きが増えているようにも思われる。
 確かに、足下では米住宅販売の好調ぶりを示す指標の発表が相次いでおり、先週16日に全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表した12月の米NAHB指数も76(前回から5ポイント上昇)と1999年以来の高水準に達していた。
 既知のとおり、過去の事例では「同指数が70を超えると、後に米連邦準備理事会(FRB)が利上げ決定の判断を下すことが多かった」とされる。ところが、目下のFRBの姿勢は「当分の間、政策据え置き」であり、このまま放置すれば米経済はバブル化しやすくなる。もちろん、それがトランプ米大統領の狙いであったりもするのだろうし、もうじき『米大統領選の年』が訪れようとしていることは動かしようのない事実である。
 今週は、名実ともにクリスマス休暇入りとなることで、市場の様子見ムードは一層強まり、方向感の見出しにくい展開となろう。ただ、休暇明けも全体にリスクオンのムードは引き継がれると考えられ、基本的にドル/円の下値は堅いと見ていいだろう。一応、109.50円を軸とした109.30-70円のレンジ内での値動きを想定しておくこととしたい。

 なお、先週はポンド/ドルがかなり急激な下げに見舞われた。先々週12日に行われた英下院総選挙の結果が判明した時点がポンド高のピーク(直近高値=1.3510ドル)で、その一週間後の19日には一時1.30ドルを割り込む水準まで売り込まれる場面もあった。
 それもそのはず、考えて見れば今回は「総選挙で与党・保守党が歴史的な勝利を収めた」というだけのことで、それで欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」の可能性が封印されたわけではない。まして、ジョンソン英首相は19日の施政方針演説に付随する序文の中で「移動期間の20年以降の延長は排除する」との方針を正式に表明した。これまでの原則では、英とEUとの合意があれば「22年末までの延長」という選択肢もあった。
 ジョンソン氏は、あえて退路を断つことでEU側にプレッシャーをかけたい意向なのであろうが、それを受けたEU側が英国の好き勝手を簡単に許すはずもない。結局、今後も長らく市場は英国による「合意なき離脱」の可能性を警戒しながらポンドと向き合い続けねばならず、その上値は自ずと限られることとなりそうだ。
 今後、ポンド/ドルが1.300ドル処をクリアに下抜けた場合には、次に一目均衡表の週足「雲」上限が位置する1.290ドル処を試す可能性が高いと見られる。なお、対ポンドでは強含みとなっているユーロであるが、対ドルでは上値も押さえられやすい。結果、場合によりユーロ/ドルは1.1027ドル処に位置する日足「雲」下限を試す可能性もあると心得ておきたい。

(12月16日 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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