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第519回 負の連鎖は一旦止まったが、なおも油断は禁物!?

2016年01月25日

 やっと、止まった。先週末にかけて欧・米・日の株安連鎖や原油安、ドル/円、クロス円の下落などにようやく一旦歯止めがかかり、ひとまず極端なリスクオフのムードも後退することとなった。最も大きなきっかけは、先週21日に行われたECB理事会後のドラギ総裁発言。同日、総裁は「政策スタンスは3月に見直す必要」と述べ、その翌日(22日)にはオーストリア中銀のノボトニー総裁やECBのクーレ理事がドラギ総裁発言に同調するコメントを発した。また、ECBが追加緩和に前向きな姿勢を示したことによって、日銀の追加緩和期待が市場で再浮上してきていることも見逃せない。

 ただ、今この瞬間に起きていることには強い既視感がある。ドラギ総裁やノボトニー総裁、クーレ理事らの発言によって、ECBによる追加緩和期待が市場で大いに盛り上がったり、連れて日銀の追加緩和実施に対する期待が膨らんだりするという展開は「いつか来た道」だ。結局、それらの期待が後に大きな失望につながった近過去の経験を忘れるわけには行かない。
 先週22日にはWTI原油先物価格が前日終値比で9%超の値上がりとなったが、そこに具体的な買い材料があったわけではない。中国リスクに対する警戒を大きく後退させる具体的な政策の発動があったわけでもない。残念ながら、年明けから染みついた“悲観虫”は、なかなか体から離れてくれないようである。果たして、先週20日にドル/円が一時116円割れの水準まで下落し、21日にCME日経平均先物が一時1万5790円まで売り込まれた時点がセリングクライマックスであったのだろうか。
 どうしても脳裏を過るのは、昨年8月下旬の急落と後の自律反発、そして再び2番底を探りに行った当時の展開である。1番底を付けた後に一旦急反発し、後にあらためて2番底(場合によっては3番底)を探りに行くというメカニズムに立派な論理づけができることは、誰もが理解していることであろう。しかるに、今しばらくは慎重かつキメの細かい対応が求められるということになろう。昨年8月、9月の展開を想い起せば、事態が完全に収束するまでに少なくとも2か月ほどの時間が必要になると考えられ、やはり2月下旬ぐらいまでは気の抜けない状態が続くと見ておきたい。

 先週22日、ドル/円は一時118.89円まで値を戻す強い展開となり、NY終値でも21日線を上抜けることとなった。なかなか破れなかった118.10/40円ゾーンを上抜けてきたことは確かに大きい。よって、もう一段の戻りを試す可能性は十分にあるものと思われるが、年明け以降に下抜けた「以前の長期サポートライン(2012年9月安値と2014年7月安値を結ぶライン)」や、昨年末に下抜けた62週線は、やはり今後の上値の抵抗として強く意識されるものと考えておきたい。
 足下の勢いに乗って120円付近まで値を切り上げる可能性はあるが、やはり120円前後の水準では一旦上値が押さえられやすくなるものと見られる。ごく短期でリバウンドの流れに乗るのも一法だが、同時に120円付近では戻り売りのタイミングを計ることも検討される必要があるのではないだろうか。

 一方でユーロ/ドルは、先週22日に1.0800ドルの節目を下抜ける展開。すでに一目均衡表の日足「雲」下限をも下抜けており、足下の下値リスクは強まっている。だからといって、昨年10月半ば以降に見られたようなECBの追加緩和期待を背景としたダダ下がりの展開になるかと言えば、それは今のところ微妙である。繰り返すも、まだ今しばらくは少し慎重過ぎると思われるほどの対応が求められよう。
(01/25 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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