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第532回 日銀ショックでドル/円は一つの下値の目安に達したが…

2016年05月02日

  驚愕の「現状維持」で円急騰の“日銀ショック”が強烈に巻き起こっている。事前に市場で大きく取り沙汰されて一時的にも円急落の場面を演出した「銀行への貸出にもマイナス金利の適用を検討する案」は、まったく議論すらなされなかったようだ。結局のところ“大山は鳴動した”が“鼠は一匹も出てこなかった”わけである。

 加えて、日銀会合後に発表された米1―3月期GDP(速報値)や3月のPCEコアデフレーター、4月の米ミシガン大消費者信頼感指数などもあまり冴えない結果となり、ドル安の流れは一段と強まる格好。さらに、米財務省が29日に公表した半期為替報告書において日本や中国、韓国、ドイツ、台湾が「監視リスト」に初めて指定されたことで、円買い材料がまた一つ増えることとなった点も見逃せない。秋の米大統領選を控え、ますます保護主義的・排他主義的なカラーが色濃くなる米国からのプレッシャーは今後もなかなか緩まないと見ておく必要があろう。

 もともと、日銀が何らかの追加緩和策を打ち出したところで、一旦は材料出尽くし感の拡がりや米指標の悪化などで円高・株安方向に振れる可能性があると見る向きも少なくはなかった。とはいえ、まさか「ここまでの大事に至ろうとは…」と唖然としている市場関係者・市場参会者も多い、いや大半であろうと思われる。


 結果的に、先週29日のドル/円は一時106.28円と、2014年10月21日以来の水準まで下落。4月末のNY終値は106.39-40円あたりの水準となり、4月の月足ロウソクは明確に31カ月移動平均線(31カ月線)を下抜けることとなった。

 106.30-40円あたりの水準というのは、2014年11月あたりからドル/円がヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ(三尊天井)を形成していたと見做した場合のセオリーに基づく垂直計算によって弾き出される“当面の下値の目安”とされていた水準である。その意味では想定内の展開と言えるのかもしれないが、日銀会合以前の市場では「それは、あっても少し先のこと(4月はない)」と見る向きが多かったことも事実である。

 もちろん、一つの下値の目安と見做される水準にまで下押したからといって、これでドル/円の調整は一巡というわけもなかなか行かないことだろう。目先的な下げ過ぎの反動や溜まりに溜まった円買いポジションの解消といった動きもいずれは見られることとなるだろうが、投機筋にしてみれば“ここは円高・株安方向で資金をもうひと回転できそうだ”と考える場面でもあるように思われる。周知のとおり、日本の大型連休中でも海外市場では日経225先物が売買される。仕掛け的な動きが見られる可能性も十分にあり、日経225先物の動きがドル/円に影響を及ぼす可能性も否定はできない。

 そうであるとするならば、やはり目先は心理的節目の105円が意識されやすい水準であると考えられ、念のため心の準備だけはしておきたいところである。


 ただ、気休めというわけではないが、少し長い目で見ると明日の希望につながる幾つかの側面もそこには見え隠れしている。それは一つに、逆説的ながら「今後もしばらくはドル高是正の流れが続く可能性が高い」ということである。

 ドル高の修正は、米製造業の追い風となるばかりでなく、新興国からの資金流出や新興国のインフレを抑制し、ひいては世界経済全体の安定化にもつながる。世界経済のリスクが低下することは、米国経済の成長加速を促すことであり、同時に米国の追加利上げに一歩近づくことでもある。結果、いずれ実際に米国経済の成長が加速し、米利上げのペースが早まれば、より自然な形でドルは強みを取り戻し、ひいてはそれが日本経済の持ち直しにもつながることとなるはずである。

(05/02 09:30)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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