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第536回 基本的にはリスクオンと見たいが、なかには波乱要因も潜む?

2016年05月30日

  今週は極めて重要なイベントが目白押しで、国際金融相場が全体に動意づくこととなりそうである。まず、1日は通常国会が会期末を迎え、安倍首相による記者会見が予定されている。周知のとおり、その会見の場で、ついに消費税増税の延期や財政出動の規模などについて、政府の方針が明らかにされる見込みとなっている。

 すでに消費税増税の延期は相当程度、相場に織り込まれているものと思われるが、実際に首相の口から言及が為されれば一定の反応はあろう。とりあえず、一旦は日経平均株価が1万7000円台乗せとなる可能性が高いものと見られる。

 日経平均株価が一定の上昇を見ることとなった場合、それに連れてドル/円もある程度は強含みになる可能性が高い。当面は、一目均衡表の日足「雲」上限(現在は111.25円に位置)を上抜けてくるかどうかに注目し、次に89日線(現在は111.80円に位置)、さらには4月28日高値=111.88円を試すかどうか見定めたい。


 ただ、2日には石油輸出国機構(OPEC)の定例総会が予定されており、場合によっては、その結果が全体の波乱要因となる可能性もあるので警戒しておきたい。

  先にNY(WTI)原油先物価格が1バレル=50ドル台に乗せたことで、とりあえずは戻り一服となる可能性があるうえ、それによってOPEC加盟国の危機感が薄れ、増産凍結合意に積極的ではなくなっている可能性もある。過去においては、OPEC総会が開催されるたびに市場がその結果に強く失望し、国際金融市場全体にリスクオフのムードが漂うことになったという“実績”もあり、やはり今回も油断は禁物と言えよう。


 そして3日は、言わずと知れた米雇用統計の発表。前記のOPEC総会を無難に通過したならば、市場の関心はあらためて米利上げの可能性に集中することとなり、ことに「平均時給」が一段の伸びを示した場合には早期利上げ観測が強まりやすくなると見られる。

 おさらいになるが、5月18日に公開された4月開催分のFOMC議事録には「第2四半期の経済成長が上向きで、労働市場が引き続いて強含みで推移し、物価上昇率が目標とする2%に向かって行くならば、フェデラルファンド・レートのターゲット・レンジを6月に引き上げることが適切になる」との見解が示されていた。また、先週末(27日)のイエレンFRB議長による講演でも「おそらく今後数か月での利上げは適切」とのコメントを発しており、ことに賃金や物価の状況が決め手となる可能性が高い。

 その意味で、明日(31日)発表される4月のPECコア・デフレーターの結果も非常に重要と言えよう。前月(3月)分は前年比+1.6%であり、この時点ではFRBが目標とする2%に届いていない。4月分の伸びも限られたものとなれば、とりあえず6月利上げ観測は後退しやすくなるのではないだろうか。

 例のCMEグループ「FEDウォッチ」によれば、7月利上げの織り込み度が足下で60%にまで達しており、およそ1か月前の約2倍となった。7月の可能性が残されたままの状態で、とりあえず6月は「現状維持」となった場合、果たして市場がどのように反応するかといった点もしっかり見定めたいところではある。


 なお、6月のFOMC後には日銀金融政策決定会合が控えている。このところ、日本国債10年物利回りがマイナス0.10%前後に張り付いている状況を鑑みれば、どうやら市場の追加緩和期待は薄らいでいる模様だ。6月23日の英国の国民投票の行方も気になるところであり、基本的にはリスクオンと見たいが、実際に複数の複雑な材料を個々に消化して行くのは結構骨が折れそうである。

(05/30 09:25)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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