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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第540回 目先は主要各国政府・当局の出方を待つ状態が続く…

2016年06月27日

 ついに、英国で一般民衆による反エスタブリッシュメント(支配階級)感情が爆発してしまった。人々の「感情」が「理性」を超え、怒りが経済合理性に勝ってしまった。

 「離脱は自傷行為」と主張してきた英紙フィナンシャル・タイムズは、社説で「ポピュリズムの怒りが爆発した瞬間として歴史に残るだろう」と伝え、チーフ・エコノミクス・コメンテータのマーティン・ウルフ氏は「かなりの確率で国の未来は暗い方向に向かうだろう」、「(EUは)英国には厳しい態度になるだろう。自分に対して乱暴な相手に優しく接することなどあるだろうか」と述べた。ハリー・ポッターの著者、J・K・ローリング氏は「英国よ、さようなら」とツイッターに呟いたと伝わるが、筆者を含めて同氏とまったく同じ言葉を呟いた向きも少なくないだろう。

 今後、EUは“離脱ドミノ”の発生を避けるため、英国に対してある種“懲罰的”な条件を突きつける必要があると見られ、結果として「インディペンスデイ」などと祝杯を挙げる離脱派も酔いから醒めるときを迎えるだろう。もちろん、残留派が多かったスコットランドや北アイルランドなども黙ってはいられないはずであり、連合王国としての基盤は大きく揺らぎかねない。

 もっと言えば「ポンドよ、さようなら」であり、基本的にはドルや円がポンドやユーロに対して買われやすい状態が続くものと見ておく必要もあろう。

 まさに“取り返しのつかない”出来事が起きてしまったわけであり、当面は国際金融市場も波乱含みの状態を続けることだろう。しかし、ある程度の時間が経過すれば、市場は目の前の現実を「ニュー・ノーマル」と理解したうえで、次の新たな材料を手掛かりとして徐々に正常化して行くものと期待したい。


 当面注目しておきたいのは、やはり市場でダントツに取引量が多いユーロ/ドルの行方である。先週24日の日足は長めの下ヒゲを伴いながらも、終値は昨年12月3日安値と今年3月10日安値を結ぶサポートラインを下抜ける格好となった。つまり、昨年12月初旬から形成されてきた中期上昇チャネルを下放れる格好となったわけであり、このままクリアに下抜けて、当面の下値余地を一段と拡大するかどうかを見定めたい。

 ちなみに、いまだ週足では一目均衡表の週足「雲」下限をクリアに下抜ける格好とはなっておらず、先週の終値は形の上で31週線と62週線に下支えられるような格好となった。とりあえず、市場には各国中銀の出方や今週28日に予定されるEU首脳会議の論議の行方を見定めたいとする向きが多いようだ。

 基本的には、やはり週足「雲」の存在が大きいと考えられ、その上限水準では上値が押さえられがちになるであろう。仮に、週足「雲」上限を一旦は上抜ける格好になったとしても、1.1200ドル処は上値の抵抗を受けやすいものと見られる。また、あらためて31週線や62週線、加えて節目の1.1000ドルなどを下抜けてくるようであれば、次に1.0800ドルの節目が意識されやすくなるだろう。


 一方、ドル/円は本邦政府・日銀の出方を覗いながらの取り組みとなる。伝えられているところによれば、単独での介入も辞さない構えとしているようであり、米国の黙認が得られない場合でも必要とあれば打って出るとの構えを見せる。「国益と国益の戦い」と言うよりも、ここは当局の面子の問題ということになりそうである。

 もちろん、その出方が市場の期待に届かない格好となった場合には、失望に伴う円買いの流れがが再び強まる可能性もあり、なおも予断を許さないことは言うまでもない。

(06/27 08:55)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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