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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第543回 ドル/円の下値は堅いが、やはり日銀会合は要警戒!?

2016年07月25日

 先週21日、ドル/円は一時107円台の半ばあたりまで上値を伸ばしたものの、同日のロンドン時間入り後には一時105円台半ばあたりまで一気に急落することとなった。

 周知のとおり、英BBCが放映した黒田日銀総裁インタビューがその引き金。このインタビューが東京で収録されたのは6月17日であったと伝わっており、それが「なぜ、あのタイミングで?」とも思うが、この23-24日に中国の成都でG20財務相・中央銀行総裁会議が開催されることを踏まえて、イングランド銀行のチーフエコノミストを務める理事へのインタビューなどと共に放映されたものらしい。


 それにしても、あまりにタイミングが絶妙であった。一部の市場関係者が「多分に意図的なものではなかったか」と評したほどだ。振り返れば、先週21日のドル/円の高値水準は、年初から形成されていた中期下降チャネルの上辺(=1/29高値と5/30高値を結ぶレジスタンスライン)や一目均衡表の日足「雲」上限の水準などにほぼ一致し、複数の重要な節目に到達したことで、一旦は上げ渋る展開になると見る向きも少なくはなかったものと思われる。

 まして、翌週にはFOMCや日銀金融施策決定会合の日程を控えており、その前週後半あたりから市場の様子見ムードは強まる可能性が高かった。さらに、前日(20日)までNYダウ平均が9営業日続伸し、日経平均株価の戻りも急ピッチとなっていたことから、そろそろ目先のスピード調整が入ってもおかしくないという状況だった。

 こうした数々の要素が見事に重なって、7月11日から急になっていたドル/円の戻りはとりあえず一服した。足下では106円を挟んだもみ合いとなっており、様子見スタンスを続けながらFOMCや日銀会合の結果を慎重に見定めるということになろう。


 FOMCに対する大方の見方は「政策据え置き」。このところの米経済指標は軒並みの好結果となっているが、やはりブレグジットの影響の程度については、少なくとも2~3ヶ月分の指標結果を見てから判断したいところだろう。それでも、足下では年内の米利上げ期待が回復してきている模様であり、基本的にドルの下値は堅いと見られる。

 一方、28-29日の日銀会合については、市場の注目度と一部の期待があまりにも強いことから、それ相応にドル/円、クロス円の下値リスクに要警戒ということになろう。

 野村証券のレポートによれば、仮に追加緩和の3点セット(マイナス金利の0.10%引き下げ、ETFとREITの買入額倍増、貸出支援プログラムへのマイナス金利適用)が決まったとしても、すでに織り込み済みの市場にとって、それは「中立」とのこと。そうであるとするならば、結局、日銀の決定が市場の期待に届かなかった場合の反応がどうしても気になるところである。


 もちろん、ここで一旦ドル/円やクロス円が一定の下値を試す展開となれば、そこは押し目買いのチャンスとなる可能性が高いと思われる。ドル/円については、少し長い目で前述した中期下降チャネル上辺や日足「雲」上限を明確に上抜けると、そこから一気に上値余地が拡がるものと見られる。

 その一方で、先週末22日にはユーロ/ドルが終値で重要な節目の一つである1.1000ドルを下抜ける展開となっており、今後、下値余地を一段と広げる可能性が高まっていると見られる。週足チャートを確認すると、今まさに週足「雲」下限を下抜ける寸前という状況になっており、徐々に先安観が強まりつつあるように思われる。

(07/25 08:55)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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