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外貨投資 転ばぬ先の智慧

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第566回 年初からのドル/円の調整は一巡となるか…

2017年01月30日

 トランプ米新政権が始動してから1週間が経過し、先週24日以降のドル/円はおしなべて戻り歩調を辿ることとなった。24日には一時112円台半ばあたりまで下押す場面もあったが、26日の欧州時間入り後には114円台を回復し、週末27日のNY時間入り後には一時115.40円付近まで上値を試す場面も見られた。
 トランプ氏が発する数々の過激な発言や保護貿易主義的な姿勢に対する警戒が解けない状態であることは否めないものの、一方で米景気拡大への期待が依然として引き継がれていることも事実で、ドルの下値には一定の押し目買いニーズがあるように見られる。
 何より、先週25日にNYダウ平均が史上初の2万ドル台乗せとなり、続く26日、27日も2万ドル台での推移となったことが、ドルの売り方による買い戻しや、出遅れてはなるまいとする新規のドル買いを後押しする格好となっている模様であることが大きいと言えるだろう。

 結果として、ドル/円は先週末にかけて年初から形成されていた短期下降チャネルを上放れる動きとなり、さらには21日線や一目均衡表の日足「雲」上限を試す動きを見せることとなった。週明け以降、この21日線や日足「雲」上限、ならびに日足の「基準線」などをクリアに上抜ける動きとなってくれば、そこから一段の上値余地が拡がり易くなると見られる。そうなれば、少なくとも「年初からの調整が1月半ば以降に幾度か試した112円台半ばの水準で終了した」との感触がより強く感じられることとなろう。
 少し見方を変えるならば、それは昨年12月高値=118.67円を起点とする「インターミディエイトサイクルの第(4)波」が終了したと見ることもできると思われ、目下は既に第(5)波の上昇局面にあると見ることもできるものと見られる。
 こうした見方の元になるのは、昨年8月16日安値から9月2日高値までを第(1)波、そこから11月9日安値までを第(2)波、そこから12月15日高値までを第(3)波とした5波構成の基本強気の相場が形成されていると見る「エリオット波動理論」に基づいた考え方である。これは、あくまで想定されるシナリオの一つであるが、そうであるとすれば、その第(5)波は昨年12月15日高値をまず試し、場合によっては120円あたりまで上値を伸ばす可能性もあると判断されることになる。
 いずれ5波構成の強気相場が終了すれば、そこからはプライマリーサイクルの第②波となり、再び一定の調整を交えることになるというのが、ここで前提としている一つのシナリオである(第①波は、昨年8月16日安値が起点であると想定)。

 小難しい話になったが、要するにドル/円相場は2017年を通じて上げ一辺倒ということにはならず、頑張っても120~125円あたりの水準まで上値を伸ばすかどうか、といった展開になるのではないかということである。
 トランプ米大統領が強いドル安志向を標榜していることは、すでに明らかである。とはいえ、その一方で積極的な財政拡張政策を展開し、成長率を3.5~4%程度にまで押し上げるとしている以上は、いくら通貨相場へのけん制を強めてもその影響力には自ずと限界というものがあろう。そもそも、実際にドル安傾向が強まったとして、そのうえで保護貿易主義を貫こうとしたら、米国内の物価は一体どうなってしまうのか。
 先に、イエレンFRB議長はサンフランシスコでの講演で「FRBは無党派であり、短期的な政治圧力を遮断するよう設計されている」と述べた。さらに、利上げを先送りし過ぎた場合には“nasty(むかつくほど酷い)surprise”となるリスクがあるとも警告した。政策は「財政」と「金融」の両輪ともに重要である。
(01/30 08:55)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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