FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外貨投資 転ばぬ先の智慧

最新の記事

第613回 米国の景気拡大は、また新たなステージへ…

2018年02月05日

 先週は、対円でのドル安にようやく一旦歯止めがかかり、週を通じてドル/円が基本的に強気の展開を続けることとなった。
 先々週(24日)のムニューシン米財務長官によるドル安容認(と市場が勝手に捉えた)発言に対して、その火消しとも取れる発言をトランプ米大統領が後に繰り返したことに加え、30日にはムニューシン氏自身の口から「強いドルを支持」とのコメントが発せられたと伝わり、徐々にドルは買い直される展開となった。
 とはいえ、何より市場に強いインパクトをもたらしたのは31日まで行われていた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明内容であったと見るべきであろう。今回のFOMC声明は、市場が想定していたよりもややタカ派寄りの内容であったと言えそうで、FOMC通過後の市場のムードは明らかに変化したと見られる。
 市場がどのように見ていようと、FOMCメンバーらは追加利上げに前向きだし、インフレ見通しも強気である。まして、年が変わった今回のFOMC から投票権を持つ地区連銀総裁の顔触れが昨年よりもタカ派の方に傾いていることは間違いない。
 こうしたことを裏付けるかのように、先週2日に発表された1月の米雇用統計における「平均時給」の伸びは相当に高く出た。周知のとおり、その伸びは前年同月比+2.9%と事前予想(+2.6%)と大きく上回り、さらに昨年12月分も+2.5%から+2.7%に上方修正されている。結果、米10年債利回りは一時2.85%まで上昇しており、今後は金利上昇のペースに弾みがつく可能性もあると見られる。

 筆者は、かねてより「2017年10-12月期あたりから米国の賃上げ傾向はグッと強まり始め、それが2018年1月以降に近過去のデータ・数値として具体的に目の当たりにされることとなりそうだ」などと述べてきたが、どうやらそうした見立ては必ずしも的外れではなかったようである。もちろん、米政府が昨年末に税制改革法を成立させた影響も徐々に滲みだしてきており、米国の景気拡大は「また新たなステージに歩みを進めた」と見ることもできるものと思われる。
 そして、今後は米国で全体に賃上げ期待が盛り上がるものと見られる。すると、次に本格的に動き出すのは個人消費であり、その後に一定のタイムラグをもって消費者物価を含めたインフレ率全般が強含んでくることとなろう。こうした事柄を踏まえたうえで、FOMCメンバーらは総じて「今年以降はインフレが上昇する」と見ているわけであり、そのレベルに市場のコンセンサスは届いていないように見える。
 市場の認識は少々遅れており、少なくとも米利上げについて「年4回」までは織り込んでいない。それは当然のことながら、今後は一つの可能性として考慮の範疇に入れておく必要があろう。もちろん、まずは3月の追加利上げ実施が最大の焦点であり、年3回か4回かの議論が本格化するのは少し先のこととなるのかもしれない。

 なお、先週31日のドル/円のNY終わり=1月の月足・終値は、辛うじて62カ月線よりも上方に位置することとなった。つまり、62カ月線が下値サポートとして機能した格好となる。2016年6月のブレグジット・ショック時とその後の数カ月に渡り、この62カ月線がドル/円の下値をガッチリと支え続けたことは、いまだ記憶に新しい。
 結果、ドル/円の1月の月足ロウソクは31カ月線と62カ月線に挟まれた価格レンジのンのなかで推移することとなったわけだが、この2月以降も両線との位置関係には注目しておきたい。同時に、2015年5月高値と以降の高値を結ぶレジスタンスラインと2016年6月安値と今年1月安値を結んだラインとで形成される三角保ち合い(トライアングル)から放れる動きが見られるかどうかという点も見逃せない。言うまでもないが、このトライアングルは既に相当に煮詰まっている。
(02月05日 08:50)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

コラム一覧

鈴木郁雄の実践トレーディング 外国為替古今東西 行天豊雄 外貨投資 転ばぬ先の智慧 田嶋智太郎
市場養生訓 小口幸伸
為替大観 小池正一郎
為替の話・トレンドを掴め! 木村佳子
武市のなぜなにFX 武市佳史

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの証拠金は、為替リスクを想定し通貨ペアごとに当社が定める額と、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額のうちいずれか大きい額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.7%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,700円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第613回 米国の景気拡大は、また新たなステージへ…