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第618回 「求人」が過去最高更新の米国経済はすこぶる強い!?

2018年03月19日

 先週のドル指数(ドルインデックス)は、一応4週連続で上昇ということになった。一気に急反発といった感じではないが、1月下旬以降はいわゆる「底練り」の展開を続けており、一定の底堅さが感じられるようになってきたことも事実ではある。
 なにせ、足下の米国経済はすこぶる強い。先週16日に発表された2月の米鉱工業生産や3月の米ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は事前予想を大きく上回ったが、何より驚かされたのは同日発表された1月の『米求人・労働異動調査(JOLTS)』において「求人」の件数が631万件と、過去最高を大きく塗り替えるレベルに達したことである。
 やはり、筆者はJOLTSの結果にあくまでも拘る。市場であまり材料視されないのは、その結果が目先の相場に直接的な影響を及ぼしにくいからであろう。とはいえ、JOLTSの結果を定点観測しておけば、数カ月後の米賃金の動向、さらに数カ月後の米消費の動向などを推し量ることができ、ひいては将来の米インフレ率やFRB利上げペースを推察する際の最も貴重なデータとして使える。
 米国で「求人」が過去最高レベルに達し。同時に「自発的離職」の件数も過去最高レベル(1月は327万件)にあるということは、米国で数カ月以内に一段の賃上げが実施される可能性が非常に高いということである。結果、いずれ消費が活性化され、その帰結として経済成長が加速してインフレ率の上昇や米金利の上昇といった現象が現れるなら、それは決して「悪い金利上昇」とは言えないだろう。
 振り返ると、2月初旬に米国の財政悪化を危惧した「悪い金利上昇」説が国際金融市場全体を大いに混乱させる局面があった。足下の景気拡大が本格的にスタートして経済のパラダイムシフトが生じるときというのは、往々にして「悪い金利上昇」説が取り沙汰されやすいのだが、それはいずれ経済のバブル化に伴ってかき消されて行くことが多い。良かれ悪しかれ、当面の米国経済は「ジワジワとバブルへ向かう」と個人的には考える。

 とはいえ、なおもドル/円の上値は重い。足下で上値追いの“障害”になっているのは米・日における政策運営の先行き不透明感の強まりであると言えよう。ドルや米・日株価などの本来の強みが発揮されることを、目下はトランプ政権と安倍政権が邪魔している。ここは理屈抜きで市場のムードに関わってくる部分であり致し方ない。
 今週は19-20日にアルゼンチンでG20財務相・中央銀行総裁会議が行われ、その場で米輸入制限の話題が取り沙汰されることによって保護貿易主義やドル安志向(誘導)などに対する警戒感が市場であらためて強まる可能性もある。また、このG20に出席しない麻生財務相が19日には参院予算委員会の集中審議に出席することで、森友学園問題に関わる野党からの追求と向き合うことも市場の警戒を誘っている。
 これでは、今しばらくドル/円が上値を追えるわけもない。そうでなくとも、まだ3月いっぱいは本邦機関投資家による米国債の「損切り」とその穴埋めの日本株の「益出し」が終わったとは言えないだろうし、国内企業による決算期末対応としてのレパトリの動きも続くこととなるだろう。もう少し、ガマンのときは続くということか。

 もちろん、今週は20-21日に行われるFOMCが最大のイベントとなる。パウエル氏がFRB議長として初めて臨むFOMCということになり、当然、FOMC後の議長会見の内容は大いに注目される。少し振り返れば、2月27日に行われたパウエル議長の議会証言に対する市場の反応はドル買いであった。
 トランプ政権内で主要幹部の辞任・更迭が相次いでいることに対する動揺や英露間・米露間に燻る不協和音などなど、ともするとリスク回避の円買いにつながりかねない“火種”も少なくはないが、米国経済の強さがホンモノであると考えれば、そろそろ円の上値も限られてくるものと思われる。
(03月19日 09:20)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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