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第628回 先週のドル/円は「下に往って来い」で底堅い印象

2018年06月04日

 先週のドル/円は週初の109.40-60円処からスタートし、一旦は108.11円処まで下押す場面があった(29日)ものの、週末にかねては再び週初のスタート時の水準まで値を戻し、結局のところ週を通じて「下に往って来い」の展開となった。
 周知のとおり、その背景にはイタリア及びスペインの政局混迷と米国の通商問題があったわけだが、週末にかけてイタリアではコンテ氏、スペインではサンチェス氏が新しい首相に就任することが決まり、ひとまず目先的な懸念は後退することとなった。
 米トランプ政権が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限の発動を決めた問題については、その目的があからさまな中間選挙対策であるだけに今後も少々尾を引く可能性は高い。少なくとも市場にとっては、しばらくの間、リスクオフの要素として捉えられ続けるだろう。
 ただ、すでに欧州連合(EU)とカナダ、メキシコが一斉に対抗(報復)措置に動き出しており、互いの対立の構図がより鮮明になるほど、最終的には米国経済に代償として跳ね返るであろうということも想像に難くない。すでにメディアは「報復措置によって米国で47万人が失業する」などと報じ始めており、その点がむしろ気に掛かる。
 先週末1日の米雇用統計(5月分)発表前に、トランプ氏は「これから発表される雇用統計の結果が楽しみだ」などとツイートしていたが、6月以降の結果についてはどのように反応するのか、今から少々楽しみではある。いずれにしても、輸入制限措置などいつまでも続けられるはずはなく、ましてや下手をすると中間選挙で不利にもなり得る。そう遠くない将来において、また適当な落とし処に落ち着くこととなるのではないだろうか。

 トランプ氏の言動が「単なる見せかけ」、「ハッタリ」に過ぎないことなど、賢い投資家は皆わかりきっている。それにも拘らず、同氏が先制パンチを繰り出した直後は決まって市場は敏感に反応する。具体的には一旦ドルが売られて円が買われるわけだが、結果、そこはドル/円にとって押し目買いの好機ということになるケースが多い。
 先週のように、とにかく市場を“政治ネタ”が席巻する状態がしばらく続くと、その後には決まってファンダメンタルズの部分に市場の目線が戻る場面がやってくる。ファンダメンタルズの部分で言えば、なおも米国の“独り勝ち”であることに変わりはなく、むしろ景気拡大のスピードは加速しているようにすら感じる。
 ゆえに、やはり基本的にドルは底堅い。一つには、先週のドル/円の週足ロウソクが長めの下ヒゲを伴う格好となったことを気に留めておきたい。このまま「グングンと上値追いへ」というわけにも行くまいが、極端に円高方向に触れるということもないだろう。
 当面の上値は2015年6月高値と2017年11月高値を結ぶレジスタンスライン=トライアングルの上辺に押さえられがちとなろうが、一方で下値はトライアングルの下辺(=2016年6月安値と今年3月安値を結ぶサポートライン)に支えられる格好となろう。ただ、今後も同水準を下回らない範囲での下値を試す可能性は残されており、その点は一応警戒しておきたい。中期的にトライアングルの上辺を上抜ける展開となって来れば、以降の下値不安は一気に後退することとなろうが、当面はまだ保ち合い状態のなかでの推移となる見込みである。

 一方のユーロ/ドルは、先週29日に1.1500ドル処の重要な心理的期節目水準を試す展開となったことで、ひとまずは下げ一服という展開になった。
 週足チャート上で見れば、一目均衡表の週足「雲」上限の水準が一応の下支えになっているような感じを受けるし、イタリアとスペインの政局に対する目先の懸念が後退していることもあり、当面は一定の戻りを試す可能性もある。とはいえ、積極的に上値を追い続ける状況に転じたわけではないことも事実で、当面は小まめに戻り売りで対応したいと個人的には考える。
(06月04日 09:25)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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