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第630回 米中通商摩擦の行方が最大の関心事

2018年06月18日

 先週は極めて重要なイベントが連日目白押しで、とにかく気忙しい週となった。
 まず12日に行われた米朝首脳会談であるが、これは前回更新分の本欄でも想定したとおり、基本的には地政学リスクの後退を市場が歓迎するムードとなった。今回の会談で「非核化の即時達成」に向けた方向性が明確に示されなかったことは想定内であり、ほどなく市場の関心は次の米連邦公開市場員会(FOMC/12-13日)に移ることとなった。
 FOMCでは事前の予想通りに米政策金利の引き上げ実施が決定され、結果としてその水準は1.85-2.00%にまで引き上がった。さらに、FOMC参加者らによる金利予想(2018年)の中央値が2.375%にまで引き上がったことにより、年末までに2.25-2.50%まで米政策金利が引き上げられる可能性が強まってきている。
 つまり、年内に「あと2回」の利上げが行われる可能性が強まっているということになり、いきおいドル/円は一時110.85円処まで上昇する場面があった。前回更新分の本欄で「年4回となる可能性が否定できない限りは安易に突っ込んだドル売りも難しい」と述べたが、実際に足下のドルは一定の底堅さを維持している。
 ただし、その後は「米国が中国に対する輸入関税を15日に公表予定」との報道を嫌気し、14日の欧州時間入りにかけて110円割れの水準まで一旦値を沈める場面もあった。

 少々驚いたのは、14日の日本経済新聞の朝刊において前日(13日)行われた欧州中央銀行(ECB)理事会の話題が1面トップを飾ったことである。それだけビッグ・ニュースであったし、ある意味サプライズでもあったということになろう。各回のECB理事会における決定内容は当然、一つの記事として取り上げられはするが、さすがに1面トップで扱われるというのはそうあることではない。
 確かに、今回の理事会で年内の量的緩和終了と10-12月の資産購入額を150億ユーロに減額するなどといった具体策が飛び出したことはサプライズであった。結果、一旦はユーロが買われる展開になりかけたものの、ほどなく「政策金利は2019年夏まで現在水準に据え置き」との方針が伝わったことで、むしろユーロが反転&急落することとなる。
 個人的な感想を言えば、ECB理事会が始まる前までに市場でユーロへの買いが継続的に入り、一時的にもユーロ/ドルが1.1853ドルまで買い上げられたこと自体が少々不可解ではあった。今回の決定ついても、正直「12月末で資産購入額をゼロにしてしまって本当にいいのか(大丈夫なのか)」との思いはある。
 もちろん、だからこそ利上げ再開時の時期を大幅に先送りしたと見ることもできるわけで、いずれにしても当面はユーロ圏の域内景気の行方に対する警戒を安易に解くことは憚られる。ドラギ総裁も指摘している通り、少なくとも当面は保護主義の脅威が及ぼす影響について軽視できないものと考えたい。

 とどのつまり、当座の関心事は米国と中国が本格的な貿易戦争状態に突入するのか否かという点に絞られてくることとなろう。周知のとおり、中国の知的財産権侵害への制裁措置を米政府が発動するのは7月6日の予定であり、それまでにはあと3週間という時間が残されている。言うまでもなく、トランプ氏としては「近いうちに中国側が一段の譲歩策を出してくるに違いない」との読みなのであろう。結果、この3週間以内に米中間の通商交渉は「落ち着くべきところの落ち着く」と市場も見ているものと思われる。
 もちろん、なおも要警戒の状態は続くと思われるが、円の上値は自ずと限られ、ドル/円については引き続き200日線と21日線が下値サポート役として機能しやすい。一方、ドル/円の上値については一目均衡表の日足「雲」、2015年6月高値からのトライアングル上辺などが重しになりやすいと見ておく必要があろう。なお、仮に米中間の通商交渉が一定の落ち着き処を見出す展開となれば、そこからはドル/円、クロス円の上値余地も拡がりやすくなるものと見られる。
(06月18日 09:10)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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