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第638回 やや落ち着きを取り戻すも依然神経質な展開は続く…

2018年08月20日

 お盆休み明けで都内のオフィス街にも徐々に普段の喧騒が戻ってきている。クールビズ・スタイルで武装した多くの金融マンも其々の担当セクションに復帰し、また今日から日々の戦いに臨むこととなるのだろう。
そうなれば、超閑散相場で市場価格がいたずらに乱高下するという先週のような相場展開を目の当たりにするケースもだいぶ減ってくるだろう。思えば、先週は様々な材料に対する市場の反応も少々極端に過ぎたとの感がある。件のトルコ・ショックについても、その影響について少々大げさに取り沙汰されたきらいがあると言えよう。

既知のとおり、国際金融市場に対するトルコの影響力は限られたものと考えることができ、実際にスペイン、フランス、イタリアなどの国際与信残高全体に占めるトルコ向け与信残高の割合は、最も大きいスペインでも4.5%程度、またドイツ、フランス、イタリア、スペインにおける平均的な割合は2%未満に留まるという。そうした事実を市場が徐々に理解し、消化して行けば、リスク回避一辺倒でドルと円に資金がやけに集中するといった流れにも一定の歯止めがかかることとなるはずである。
先週末にかけてS&Pグローバル・レーティングとムーディーズがトルコの信用格付けを相次いで引き下げたが、すでに織り込まれている部分が大きいと思われ、仮にそうでなくとも影響は一時的かつ軽微なものに留まるだろう。
先週13日、ロイター通信が「トルコリラ安で外国人客がトルコの高級ブランド店に殺到」と伝えていたが、こうしたニュースが飛び出すタイミングというのは、往々にして“セリング・クライマックス”のタイミングと相前後したりするものである。

一方、ここにきて「トランプ米大統領の語り口が変化してきた」という点も市場で注目され始めている。先週16日にトランプ氏はツイッターに「投資家はドルに資金をつぎ込んでいる」、「我々の大切なドルには過去にめったに見られないほどのマネーが流れ込んでいる」などと呟いた。これを受けてクドローNEC(米国家経済会議)委員長は、こともあろうに「大統領が指摘する通りドルは王様でドルは強い。ドルは安定しており、信認の証だ」などと米CNBCのインタビューに応えたという。
もともと、米中間選挙の日程が迫ってくるにつれ、米政権の政策の重点・力点は通商問題から減税やインフラ投資などに移って行くとの見方はあった。そうなれば、同時にドル高や金利上昇をけん制するようなトランプ発言も減り、ドル/円も一定の上値を試す展開となる可能性があろう。
振り返ると、ドル/円は先週13日と17日に89日線を試しながらも、同線の下値サポートを受ける形で基本的に一目均衡表の日足「雲」の中に潜り込んだ。よって、やはり目先は日足「雲」下限と89日線が下値サポートとして機能し続けるかどうかをきっちりと見定めたい。ある程度切り返す動きが強まった場合、今度は21日線や日足「雲」上限を再び試すかどうかが次の焦点になるものと見られる。

なお、引き続き中国人民元と上海総合指数の動向には警戒を怠りなくしたい。
人民元については、なおも2017年1月に1ドル=6.96元台まで進んだ元安のレベルが意識さされるところであり、上海総合指数に関しては2016年1月の安値レベルをクリアに下抜けやしないか、やや背筋に冷たいものを感じながら注視して行く必要があろう。一部には「2700割れの水準に落ち込むと当局のテコ入れが入る」との見方もあったが、先週末は2700を下回ったまま終わっており、その点は少々気になるところではある。
今週はFOMC議事録公表やジャクソンホールシンポジウムなども予定されており、なおも神経質な展開が続くことは覚悟しておきたい。
(08月20日 09:25)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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