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第651回 ドル/円の下値サポートは機能し続けるか~一つの正念場

2018年12月10日

 先週末7日も、また米国株安で市場は右往左往させられた。先週は、NYダウ平均が4日に前日終値比で799ドル安、7日に同558ドル安といった展開を見せつけられ、さすがに投資家の気持ちも萎えるというもの。思えば、6日も一時は同784ドル安という場面があり、最終的には同79ドル安まで持ち直したものの、あまりにもボラティリティーが高すぎて誰もまともに手出しできない。
 どうやら、米債利回りの急低下や「逆イールド」というワードなどに敏感に反応するように仕組まれた売買プログラムが乱高下の主役となっているようであるが、それがわかっているのならプログラム自体を少し修正できないのかとも思う。ファンド筋も結局、自分で自分の首を絞める結果にしかならないことぐらいはわかるだろう。
 同じことは、米大統領はじめ米政権を取り巻く面々による不用意極まりない無責任な発言の数々についても言える。先週7日も、朝方のNYダウ平均は前日終値比で147ドル高まで上昇する場面があった。後に一転急降下となったのは、周知のとおり米政権が「中国との通商問題が解決しない場合は制裁関税を課す」とあらためて表明したことが大きかったとされる。
 ファーウェイ問題をはじめ安全保障との絡みで取り扱いに注意を要する政治的重要案件であることは理解するが、もう少しマーケットにもたらすインパクトをも考慮し、慎重に言葉を選んで発言しないと、結局は自分で自分の首を絞める。米政権が中国を猛烈にけん制したいのなら、それは水面下で実務的に攻め続けた方が効果もあろう。
 せっかく、米雇用と米消費の状況が相変わらず絶好調であって、米経済指標・景気データからは何一つ悲観材料など出て来ない。筆者が毎度引き合いに出す「米求人・労働異動調査(JOLTS)」の結果を見ても、あまりに強い米求人の状況から判断すれば米賃賃金の上昇は「まだ始まったばかり」と言っていい。なお、最新のJOLTSの結果は今週11日に発表されることとなっており、これもまた要注目ということになる。

 一方、欧州では相変わらずブレグジットやイタリア財政問題などが尾を引いており、ポンドやユーロの上値も重い。ちなみに、今週11日は先に欧州連合(EU)と英国のメイ首相が合意した離脱協定に対する裁決が英下院で予定されている。
 これは「否決される」との見方が優勢と見られており、事後の対応が不安視される。いよいよメイ首相も年貢の納めどきか。そうなれば一時的にもショック安が生じてもおかしくないだろう。ポンド/ドルは1.2700ドルの重要な節目をクリアに下抜けかねず、そうなれば次は一気に1.2500ドルあたりまで目線が下がる可能性が高い。
 結果、ユーロ/ドルにも下押し圧力がかかった場合、あらためて1.1300ドルの節目を下抜ける可能性が高まり、そこからもう一段の下値余地が拡がる可能性もある。なお、11日にはイタリアのコンテ首相がユンケル欧州委員長に修正予算案を提出する予定にもなっている。一波乱あってもおかしくはない。

 ポンドやユーロやあらためて売り圧力に晒されると、結局のところ市場ではドル高&円高のムードが強まることとなり、ドル/円は上にも下にも行きづらくなる。もはやドルの需給が一層タイトになる年末が着実に近づいてくる時節でもあり、ある程度下値は堅いと見ていいだろう。もちろん、今月のFOMC(18-19日)で参加メンバーらがどのような金利見通しを出してくるかによって状況が大きく変わる可能性もあるが、さほど悲観に傾くことはないと個人的には見る。
 目下のところ、ドル/円の下値は一目均衡表の日足「雲」や89日線などにサポートされる格好となっており、目先はこうしたサポートが機能し続けるかどうかが焦点。一つの正念場ではある。
(12月10日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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