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第654回 米国経済には「もうひと盛り上がり」がある!?

2019年01月21日

 本欄の1月7日更新分において、筆者はドル/円について「(1月3日に生じたフラッシュ・クラッシュの)結果として非常に長大な下ヒゲが出現したことによって、むしろトレンドが一旦転換した可能性もないではない」、「目先は、まず先週3日のクラッシュ前に位置していた108.80-109.00円処の水準を取り戻せるかどうかが一つの焦点」などと述べた。その時点でも述べたが、これだけの(長大な)下ヒゲが出て、その後に一段の下値を探る展開となったことは過去にあまり例を見ない。
 そして案の定、足下のドル/円は着実かつ力強く戻り歩調を辿っている。先週16日から17日にかけては109円台を回復する動きを見せ、後に一旦押し戻される場面もあったものの、週末18日にはあらためて109円台に乗せ、週の終わりにかけては109.88円処まで上値を伸ばす場面もあった。

 大きいのは、やはり米利上げペースの減速見通しと米中通商協議の進展期待ということになるだろう。FRBの政策運営方針がより柔軟なものとなり、利上げに対して「辛抱強くなる」ことや資産圧縮の見直しを検討する可能性もあることなどについては、足下で確実に米株価を大きく押し上げることに貢献しており、それがリスクオンのムードを盛り上げることにつながっている。
 これは、ある意味で「いつか来た道」と言えるだろう。古今東西、不況から脱して景気が拡大し始めた当初というのは、場合により金融政策が景気の先回りをしてしまうことがある(昨年までの米国が一例)。しかし、それによって折角拡大し始めた景気の先行きが怪しくなってくると、金融政策は一旦ハト派に傾きがちとなり、そうしている間に再び景気が走り始めると、もはや金融政策はその後を暫く追い続けることとなるのである。
 その結果が「バブル」であり、そのバブルも最終的には様々なところで辻褄が合わなくなりはじめて、いつかは“崩壊”するわけであるが、その前に米国経済のバブルは「もうひと盛り上がりする」というのが筆者の見立てである。

 加えて、このところ米中両国が貿易不均衡解消に向けてある程度具体的な道筋を示し始めているとの見方が強まり、そのことも米株価を力強く押し上げることに大いに貢献している。既に、中国の劉鶴副首相が1月30日に訪米するとも伝えられており、ますます市場の期待は高まっている。
 先週16日付の日本経済新聞紙上では同紙本社コメンテータの菅野幹雄氏が「トランプ氏には対中合意で『成果』を訴え、株式市場に好材料を示したい思惑が働く」などと述べていた。やはり、このところ何かと評判の悪いトランプ氏としても、このあたりで一矢報いたいとの思いは強くあるだろう。米大統領が株価の持ち上げに“熱心”であるうちは暫くリスクオンのムードが続くと見られる。
 その結果、今後も基本的にドルは底堅く推移すると見ていいだろう。市場関係者のなかには「米利上げペースがスローダウンするのだから今年は円高・ドル安」と決めつけているような向きもあるが、今のところ足下は米金利の上昇抑制的ながら米株価上昇、同時にドル高・円安進行という連鎖になっている点は見逃せない。

 さらに、足下のユーロ安がドル高を支える一因となっている点にも要注目。既知のとおり、先週16日にECBのドラギECB総裁が「最近の経済は予想以上に弱い。大規模な刺激策が必要」などと、かなりハト派に傾いた発言を行っていた。何より、中心的存在であるドイツ経済の減速感が急速に強まってきており、あえてユーロを買い上げる材料はかなり乏しいと言わざるを得ない。今週24日には、あらためてECB理事会とドラギ総裁会見が予定されており、その発言が大いに注目されるところだ。  (01月21日 08:50)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。

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