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第661回 今週は基本的にドルの堅調推移が見込まれる

2019年03月18日

 既知のとおり、先週行われた日銀会合後の会見で黒田総裁は「2019年後半には中国と欧州の経済が持ち直す」との見方を示した。確かに、同日閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で李首相は増値税(付加価値税)の税率下げを含む2兆弱にのぼる企業負担軽減策の実施を打ち出しており、一連の内需刺激策が奏功すると仮定すれば、黒田総裁の見通もあながち間違ってはいないということになろう。おそらく、黒田氏が重視するのは「期待に訴える」ということであり、そこに十分な可能性があるのであれば「できる限り先行きをポジティブに見通すことが重要」という信条がそこにあるように思われる。
 気になるのは、市場の一部に「それでも、いまだ先行きの不透明感は強く、場合によっては4月にも日銀が追加緩和を迫られる」との見方があることだ。追加緩和のハードルが以前よりも高くなっていることは百も承知だが、前述した「期待に訴える」という意味では「株価指数連動型上場投資信託(ETF)の買入枠拡大が有効」と個人的には考える。期待が株価の上値余地を拡げれば、そのぶんドル/円の上値余地も拡がりやすい。
 今回の日銀総裁会見で、黒田氏は「ETF購入を通じた日銀の株式保有割合は現時点で株式市場全体の4%程度にとどまっている。また、ETFを構成する株式についてスチュワードシップコードを受け入れている投資信託委託会社によって適切に議決権が行使されている。現時点では株式市場の機能に何か影響を及ぼしているということはないと思う」と述べた。こうした事実を正しく再認識したうえで考えれば、今後の追加緩和の一方策として検討される可能性も十分にあると思われる。

 さて、日銀会合と総裁会見を受けた外為相場だが、ほとんど無反応だったと言える。一部で期待されていた追加緩和に関わる言及がなかったことを考えれば当然の反応と思われ、むしろ4月の会合まで期待は引き継がれることになったと理解したい。週末15日のNY時間入り後はNY連銀製造業景況指数(3月)や米鉱工業生産指数(2月)などが想定外に弱めの結果であったことから、市場は一旦ドル売りで反応することとなったが、弱めの指標結果は今週19-20日に行われるFOMCでの政策論議がよりハト派的になるとの見通しにつながり、米株価が底堅く推移したことでドルの下押しの程度も限られた。
 先週のドル/円は基本的に21日線と89日線の下値サポートを受けながら、週末にかけては200日線を再び上抜ける展開となり、1月初旬から形成されている「上昇チャネル内」での動きも継続している。日足の一目均衡表においては「遅行線」が日々線を上抜ける格好となっており、あまり弱気のシグナルは見当たらない。
 次に週足チャートに目を移すと、そこには一目均衡表の週足「雲」上限が当面の下値サポートとして意識される可能性を感じる。今週、この「雲」上限は110.70円あたりまで水準が引き上がり、5月下旬には112円台半ば近くに到達する。そのため、テクニカル的には目線が上がりやすい状態にあると言える。
 日米両政府は通商交渉を4月にも始める方向で調整している模様であり、初会合では交渉の対象範囲を決める方針。米中通商協議の影響で遅れる可能性もあるものの、日米両政府はトランプ米大統領が訪日する5月下旬までには初会合を開く考えであるとされ、こうした政治日程との兼ね合いも重要になってくることは言うまでもない。

 なお、今週も引き続きブレグジット関連のニュースからは目が離せない。先週は英議会での審議結果を受けてポンド/ドルが一時1.3380ドルまで値を上げる場面もあったが、すでに「合意なき離脱の回避」は十分に織り込まれていると考えられ、次第に対ポンドでのドル売り圧力も弱まって行くものと思われる。同時に、ユーロ/ドルの戻り余地も限られてきていると見られ、今週は基本的にドルが堅調に推移すると見る。
(03月18日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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