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第662回 米債利回りの低下もそろそろ一服!?

2019年03月25日

 気がつけば、もはや実質的に3月の最終週に突入し、懸案の「ブレグジット」の期限も週末29日に迫っている。先週20-21日に首脳会議を開催した欧州連合(EU)は、英国議会のいつまでも煮え切らない態度に業を煮やし、今週予定される英議会で離脱案が否決された場合には「合意なき離脱か長期(離脱期限)延期の二者択一になる」という最後通牒を突きつけてきている。
 他方、米中間における貿易協議の行方もいまだ不透明なままであり、今週28-29日に北京で閣僚級の協議が行われる予定にはなってはいるが、詰めの交渉がどの程度まで進むかは定かでない。トランプ米大統領は先週20日、中国製品にかけた追加関税について「解除することは議論していない」などと述べており、市場にとっては「4月末の合意を目指す」との方針に対してやや懐疑的にならざるを得ない部分もある。
 先週19-20日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文や参加メンバーらの金利見通しなどが、市場の事前の見方よりもよりハト派的であったことも、世界的な景気減速に対する市場の警戒を強めることにつながり、国際金融市場の上空には急速に暗雲が垂れ込め始めてきた。
 結果、先週22日のNY時間には米10年債利回りが一時2.416%まで低下し、あろうことか3カ月物の利回りを下回る「逆イールド」が発生。これは、あのサブプライム・ショックの渦中であった2007年以来の出来事であり、ますます市場全体の不安心理は増幅されようとしている。ときに米金利の低下は米株高の原動力となることもあるが、逆イールド発生となると少々話が異なってくる。22日のNYダウ平均(終値)は米金融株が売りに押されたことを主因に、前日終値比で460ドルも値を下げることとなった。なお、22日のVIX指数(恐怖指数)は16.48と前日から2.85ポイントも上昇しており、さすがに米国株への資金流入は滞らざるを得なかった。

 たまらず、先週22日のドル/円は一時109.74円まで下押し、とうとう一目均衡表の日足「雲」を試す水準まで大きく下値を切り下げてきている。同日のNY終値は辛うじて日足「雲」上限付近に留まったが、先週を通じて200日線、21日線、89日線を順に下抜ける弱気の展開が続いただけに、当座はドル/円にとって分が悪い状況となっている。
 よって、今週は前記の日足「雲」(現在の「雲」下限は109.78円)を下抜けるかどうかが一つの焦点。加えて、週足「雲」下限(現在は109.68円)が下値サポートとして機能するかどうかという点もしっかり見定めることが必要となろう。因みに、月足の「雲」上限は現在110.61円に位置しており、週末=月末にかけて同水準を取り戻せるかどうかという点にも注目しておきたい。
 なお、先週21日以降のドル・インデックスは反発傾向にあり、それだけユーロの下げが目立って大きいということでもある。その意味で、足下のドル/円の下げは所謂リスク回避の円買いの動きと捉えることもできるものと思われる。CFTCによれば、3月19日時点における大口投機家の円売り越しは5万9千枚台に膨らんでおり、ここは需給の観点からも一旦買い戻しの動きが急になっておかしくない局面ではある。
 とはいえ、さすがに米債利回りの低下もそろそろ一服していいところなのではないだろうか。現在のFRBのスタンスについては、もはや十分織り込んでいることであろう。
 もちろん、足下でドイツの10年債利回りが2016年10月以来のマイナス水準にまで低下していることを考えると、必ずしも「米金利の低下」イコール「ドル安」ではない。今後、ユーロ/ドルが1.1300ドル台の奪回に苦労するようだと、逆に1.1200ドル割れのリスクが高まりやすくなると見ておきたい。英国の欧州連合(EU)離脱にしても、これからもう一波乱はあるものと考えられ、当座のドルの下値は限られると見る。
(03月25日 08:55)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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