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第664回 米・日株価の堅調でドル/円は底堅い展開を継続

2019年04月08日

 目下、最大の注目は米株市場でNYダウ平均が昨年10月3日につけた史上最高値=26951ドルと顔合わせ、あるいは同水準をブレイクするかどうかという点であろう。先週5日には一時26487ドルまで上値を伸ばす場面があり、もはや最高値と顔合わせするのは時間の問題であると期待される。因みに、S&P500に至っては先週5日で7営業日続伸という記録的な強気モードとなっている。
 振り返れば、先月末に発表された3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が強めの結果となったことがすべての発端。ときに「中国の経済指標&データは信用ならない」などと揶揄されるときもあるが、今は都合よくリスクオンの材料に利用されている。

 米株高の強い後押しを受けて、日経平均株価も強気の展開が続いている。先週5日には一時2万1839円まで上値を伸ばし、3月4日高値=2万1860円に迫った。5日のCME日経平均先物は一時同水準を上抜ける動きを見せ、週明けの東京市場での値動きも大いに期待される。無用な“邪魔”が外部から入らなければ、今週は200日移動平均線(200日線)ブレイクから2万2000円台奪回が意識される展開となろう。
 このように全体的なリスクオンのムードに支えられて、ドル/円も再び112円台を視野に入れる展開となってきている。先週4日以降、上向きの200日線をクリアに上抜ける展開となっていることは何より見逃せない。また、足下で3月5日高値と3月15日高値を結ぶラインを上抜けてきた。さらに、先週の週足・終値が一目均衡表の週足「雲」上限を再び上抜けてきたことにも注目しておきたい。
 目先は、やはり112円手前あたりの抵抗を突き破れるかどうかが焦点となるが、同水準をクリアできれば次に3月5日高値=112.14円が意識されることとなろう。仮に、同水準をも上抜ける展開となれば、次の上値の目安は昨年10月高値(=114.55円)から今年1月安値(=104.87円)までの下げに対する76.4%戻し=112.27円処になると見ておきたい。
 なお、ドル/円の下値については、やはり200日線(=現在は111.50円)が目先のサポートとして機能するものと見られる。また、111.65円処には週足「雲」上限が位置しており、これは週を通して位置関係を見定めておきたい。

 今週のイベントとしては、一つに10日のECB理事会と臨時のEU首脳会議が注目される。ドラギECB総裁が3月下旬に「必要に応じてマイナス金利の副作用の軽減策を検討する考えを示した」ことで、市場の一部では「軽減策」を巡る様々な思惑も渦巻いている。要は一種の銀行救済策ということになるのだろうが、いずれにしても一段と政策方針がハト派に傾くこととなれば、それはユーロの下押し圧力となりやすい。
 臨時のEU首脳会議は、言うまでもなく英国のEU離脱期限について、メイ英首相がトゥスクEU大統領に宛てた書簡のなかで「離脱を6月30日まで延期することを要請した」ことの是非を諮ることとなる。EUがどのような判断を下すかは依然として未知数であり、なおも警戒は解けない。よって、とりあえず目先はポンドにも下押し圧力がかかりやすい。
 目下のユーロ/ドルは再び1.1200ドル近辺まで下値を切り下げる展開となってきており、月足ロウソクで見れば相変わらず月足「雲」下限をトレースする格好での展開が続いている。4月の月足「雲」下限は1.1000ドルを下回る水準まで低下しており、少し長い目ではそう水準が意識される可能性もあるだろう。目先は、やはり1.1200ドル処の攻防が見込まれ、仮に同水準をクリアに下抜ける展開となれば底割れ感が色濃くなりそうだ。
 一方、ポンド/ドルは1.3000ドルの節目や31週線が依然下値サポートとして機能しているかどうかに注目。これらを下抜けると一気に目線が下がることとなり、相対的にドルの価値が再評価されやすくなると見られる。
(04月08日 08:58)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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