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第667回 ドル/円は週足「雲」下限あたりで下げ止まれるかどうかが焦点

2019年05月13日

 言ってしまえば、5月初旬までの国際金融相場は“いいところ取り”が過ぎたということになるのだろう。トランプ米大統領が米中貿易協議の進捗状況に関して「遅すぎる!」と叫ぶ前から、一部で「中国側がそうすんなりと米政府側からの要求を呑むわけはない」との声が聞かれていたことも事実である。
 そうした点については一抹の不安を抱えながらも、一方で「交渉の決裂は両国にとってマイナス(だから交渉は今後も継続され、決裂はしない)」といった識者らの論評、あるいはトランプ氏による「協議は順調に進んでいる」などといったツイートにすがりつく格好で、ことに米株市場においては一頃、ナスダック総合やS&P500などの指数が連日のごとく市場最高値を更新する日々がしばらくは続いた。
 翻って、今となっては「米中間の交渉が長期化するのは以前から分かりきっていたことであり、それは至極当然のこと」などと開き直ってみたりしながら、当分は「少し頭を冷やして色々と再考すべき」というようなムードのなかで相場と向き合うことになりそうである。ただ、それでも足下の米国経済がいまだ良好な状態を維持していることや、米中貿易戦争の激化が両国にとってマイナスに働くといった事実は変わらない。
 また、結局のところ中国経済が力強く持ち直してこない限り、ユーロ圏の域内景気も停滞から抜け出せず、対ドルでユーロは劣勢のままの状態を続ける可能性が高いという事実も変わらない。まして、昨今のユーロ圏では中心的存在である独仏の政治的リーダーシップが損なわれ、域内全体に欧州連合(EU)から距離を置くべき(おるいは、いずれ離脱を検討すべき)とする風潮が強まり続けている。EUの存在が大きく揺らいでいるなかにあって、ユーロという通貨の価値だけが高めに評価され続けるというのは少々無理がある。
 4月下旬以降、ユーロ/ドルは基本戻り歩調を辿っているが、あくまで下降チャネル内での値動きであり、今後の上値は自ずと限られると見られる。

 一方で、先週のドル/円は結局、一目均衡表の週足「雲」下限が位置する水準(現在は109.60円処)で下値をサポートされる格好となった。
 とりあえず、目下は109.60-70円処から110.00円処が下値サポートとして機能しているものと見られるが、同水準はダブルトップのネックライン水準でもあるだけに、ここは一つの正念場とも言える。同水準を下抜けると、ダブルトップ完成が意識されることとなり、以降は108円処が一つの下値の目安として意識されやすくなるだろう。
 もちろん、ここで一旦下げ止まる展開となれば、あらためて110円処、次に日足「雲」下限の水準、そして89日移動平均線(89日線)などの節目を順に試しながら、再び111円台乗せを意識した展開となっておかしくない。

 ちなみに、先週末10日の中国株式市場では同国政府系ファンドの強力な介入があった模様と伝わっており、当面は介入期待の強まりから売り方の買い戻しも入りやすいものと思われる。また、同日のNY市場では米株価が一時大きく上下に触れたものの、最終的には代表的な米株価指数が揃ってプラス圏で引けることとなった。
 NYダウ平均に関しては、2日連続して日足ロウソクに長めの下ヒゲが伴う格好となっており、一定の底堅さが感じられた。連れて、週明け13日の東京市場で株価が底堅く推移すれば、それはドル/円をある程度買い戻す材料になり得ると見られる。
 ただ、先週のNYの終わりにかけては目先の悪材料出尽くしで、とりあえず米株やドルが買い戻される展開となったものの、続く対中関税「第4弾」の詳細が本日(13日)にも発表される予定となっていることから、あらためて市場でリスク回避ムードが強まる可能性もないではない。繰り返すも、ドル/円については109.60-70円処を下げ止まれるかどうかが焦点となろう。
(05月13日 09:05)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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