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第674回 市場の関心は、あらためて米利下げの可能性へ

2019年07月01日

 先週末に大阪で開催されていたG20サミットは「自由で公平かつ無差別で、透明性があり、予測可能で安定的な貿易及び投資環境を実現するために努力」との文言を盛り込んだ首脳宣言『大阪宣言』を採択して閉幕した。最大の焦点であった米中首脳会談は、5月に一旦決裂しかけた貿易協議を再開することで一致し、焦眉の急であった米国による対中追加関税の発動はとりあえず避けられた。
 ほぼ事前の市場予想どおりの結果となったわけであるが、一定の警戒もなされていたことを考えれば、週明け以降にある程度、リスクオフのムードが後退する余地は生じたと言えるだろう。米中間の覇権を巡るせめぎ合いはそう簡単に収束するはずもなく、かなりの長期戦にもつれ込むとの見方は市場で一致しているものと思われる。緊迫化するイラン情勢についても、G20各国が強い関心を示していることが確認され、総じて“無難に(恙なく)”執り行われたサミットであったというのが率直な印象である。

 週明けは、とりあえずドル/円に買い戻しの動きが生じるものと考えられ、まずは21日移動平均線をクリアに上抜けるかどうかが注目される。これは、ほぼ同時に「4月下旬以降に形成されていた下降チャネルを上放れるかどうか」ということでもあり、目先は非常に重要なポイントとなる。さらに、節目の108円処から一目均衡表(日足)の基準線をもクリアに上抜ける展開となれば、さしあたっては6月11日高値の108.80円処を試す展開となっておかしくないと言えよう。
 もっとも、先週末のビッグ・イベントを無難に通過したことで、週明け以降は米利下げ観測の盛り上がりや足下の米経済指標にあらためて市場の関心が向かい、結果として当面のドルの上値には自ずと限界があると見ることもできなくはない。先週29日に発表された幾つかの米指標は強弱入り混じる結果となり、その点は今後の市場の評価をしっかりと見定める必要があろう。果たして、市場の米利下げ観測は少々行き過ぎていやしないか。ここは、総合的に判断して行く必要がある。
 実際、先週25日に講演したパウエルFRB議長は「金融政策は短期的なセンチメントの変動に過剰反応してはならない」と発言し、市場の過度な利下げ観測やそれに伴う圧力をけん制した。また同日、米セントルイス連銀のブラード総裁はブルームバーグのインタビューに応えて「50bpの利下げはやりすぎで25bpの利下げが望ましい」などと発言している。周知のとおり、同氏は6月のFOMCで唯一人、政策金利の据え置きに反対(=利下げが適当と主張)した人物である。そんなハト派の急先鋒が「市場の一部にある過度な米利下げ観測は行き過ぎ」としていることは、やはり軽視できない。

 なお、週明け1日には6月の日銀短観が発表される。もはや、その結果次第で10月の消費税率再引き上げ予定が白紙に戻される可能性はほとんど消滅しているが、あまり捗々しくない結果となれば、政府から大掛かりな景気対策が打ち出されることへの期待が市場で高まる可能性はあると言える。そうした期待が日本株の下値を支えることとなれば、そのぶんドル/円も底堅く推移することとなろう。
 一方で、6月のFOMC以降に戻りを試す展開となっていたユーロ/ドルは足下で一旦戻り一巡となる可能性が高いと思われる。一目均衡表の週足「雲」下限や62週移動平均線が上値抵抗として意識されやすくなっていることも一因となり得る。
 何より、ユーロ圏の域内景気の停滞ぶりは足下で見逃せないレベルになってきている。ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がまとめた6月の独景況感指数によると、同国の景気見通しは前月から著しく悪化。今後6カ月間の「期待指数」はマイナス21.1とエコノミスト予想中央値のマイナス5.6を大きく下回った。今後、ユーロ/ドルがひとたび1.1350ドルをクリアに下抜ける展開となれば、ひとまずは31週移動平均線あたりまで下値余地を拡げる可能性があると見られる。
(07月01日 08:45)


※当コラムは毎週月曜日の更新です(月曜日が祝日の場合は休載となります)。

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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