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第684回  一気に強まった市場の先行き悲観はやはり行き過ぎ!?

2019年10月07日

前回更新分の本欄で「(米・日株価が)当然の調整局面をこのあたりで迎えたとき、そこから市場のムードが一変してしまいやしないか、少々警戒しておく必要もある」と述べた。そして案の定、10月に入ってから国際金融市場のムードは明らかに変化し始めている。

 まず、米・日の株価がわかりやすく調整局面を迎えたことは紛れもない事実である。NYダウ平均については、9月下旬あたりからジワジワと調整色を濃くしていたが、10月に入ってからは一旦ドスンと来た。日経平均株価については、もともと目先の高値警戒感がかなり強まっていたところで、米株価の行き過ぎた下げに大いに揺す振られた感じだ。
 周知のとおり、米株価が一気に下げたのは1日に発表された9月のISM製造業景況指数の結果が弱めであったことが一因。そこに、米欧航空機紛争が関税合戦に発展するという悪材料が加わり、おそらく海外ファンド筋のプログラム売買を司るアルゴリズムが過敏に反応したのであろう。奇しくも、海外ファンド筋が11月、12月に決算を控えているという事情も重なり、アノマリー通りに「10月の荒れ相場」と相成ったわけである。
それにしても、NYダウ平均の下げ幅が2日(10月1日と2日)で800ドル超というのは「あまりにも行き過ぎ」としか言いようがない。そこは、ある程度割り切って考えないと、いたずらに悲観し過ぎたりして結果的に判断を誤ることとなろう。
 とはいえ、ひとたび全体のムードが弱気に傾くと、それ以降は何でも後ろ向きに捉えられがちとなることも避けられないようである。3日に発表されたISM非製造業景況指数が52.6と、予想中央値の55を下回って3年ぶりの低水準に留まったことは事実だが、それだけで市場のムードはかくも悲観的になるものか。結果、10月にも米国で追加利下げが行われるとの見方が優勢になり始め、結果的に先週3日、4日の米株価は一旦大きく反発する次第となったが、これも少々解せないところがある。

 再確認しておかねばならないのは、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者らの金利見通し(ドット・プロット)の中央値が2019年末も2020年末もともに1.875%とされたのは、つい先日(9月下旬)のことだということである。
目下の市場では、一部に「年内あと2回の米利下げ」を見込む向きも現れているようであるが、現実問題として米連邦準備理事会(FRB)の政策方針と市場の思惑にあまりに大きなズレが生じると、いずれ必ず市場に混乱が生じるから要注意である。むろん、多くの場合において「一旦、行き過ぎる」のは市場の方だ。
 先週末4日に発表された9月の米雇用統計の結果にしても、失業率3.5%の下で「非農業部門雇用者数の伸びが予想を下回った」などということを取り沙汰するのは、もはやナンセンスの極みと言え、やはり失業率の大幅な低下は尊い。平均時給の伸びが少々鈍ったことを弱気材料視する向きもあるようだが、失業率が下がったぶんだけ全米で支払われる給与総額は伸びるのであるから、将来的な消費増大やインフレ率上昇に対するインパクトはそれなりに大きい。場合によっては、新たに雇われる人が増えたこと自体が、平均時給の伸びを抑えた可能性もある。
とにもかくにも、足下の米景気実態を正しく把握したうえで、それでも「年内あと2回の米利下げ」と読むのは少々無理があることではないか。

 今週は、10日から行われる閣僚級の米中貿易協議の行方が何より見逃せない。最終合意に至ることなど誰も見込んではないないものの、関税合戦を繰り返す“貿易戦争”に関しては「一時休戦」の方向が示されることに期待したい。その示され方一つで、再び市場のムードが逆転する可能性は十分にあろう。そうなれば、あらためてドル/円、クロス円にも再び上値余地が出てくると見られる。

(10月07日 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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