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第686回  どう転んでもFOMC後はドル買い優勢?

2019年10月28日

先週は、米中貿易協議の進展に対する期待が一段と高まったことで、市場におけるリスクオンのムードも持続し、米・日の株価上昇も手伝ってドル/円、クロス円ともに基本的には底堅く推移することとなった。
ただ、ドル/円は引き続き200日移動平均線(200日線/現在は109.05円処に位置)に上値を押さえられる格好となっており、市場では「108.80円処に国内輸出企業の売り注文が控えている」との声も聞かれていた。もちろん、再び史上最高値水準を試す展開となっている米国株の行方やその前提となる米主要企業の決算結果も気になるし、今週行われる米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果も大いに気になる。その意味で、ここもとは少々手掛けづらい状態が続いているということもあろう。

米株市場では、NYダウ平均こそ7月につけた史上最高値まで「あと数百ドル」という水準に留まっているものの、S&P500種については先週25日に一時3027ポイント台まで上値を伸ばし、7月につけた史上最高値=3038ポイントにほぼ顔合わせする展開となった。今後、ひとたび史上最高値を上抜ける勢いを伴ってくれば、そこから一段と上値余地は拡大し、S&P500種については少し長い目で3200ポイントあたりが次の上値の目安になってくるものと見る。
むろん、そうなればNYダウ平均も自ずと史上最高値を更新し、少し長い目で3万ドルを意識した展開へと発展して行っておかしくないと個人的には考える。

なお、今回のFOMCについては今年3度目の利下げを実施すると見る向きが大勢を占めている。その点を掌握しているはずの米連邦準備理事会(FRB)が事前に何ら特別な動きを見せていないことからして、おそらくサプライズはないのであろう。
そうなると、次に市場の関心は「12月のFOMCにおける追加利下げの有無」に移ることとなろうが、どうやら市場には「そろそろ打ち止め」と見る向きが少なくないようだ。そうであるとするならば、会見でパウエル議長が利下げ休止の可能性を示唆する何らかの発言をすると見る向きもあり、場合によって市場は強くドル買いで反応する可能性がある。
もともと、今年3回目の利下げを実施すれば、その時点で出尽くし感からドル買いが生じるとの見方は以前からある。仮に利下げが見送られればなおさらであるし、会見で一旦打ち止めが示唆されてもドル買いムードは強まるだろう。
どう転んでもFOMC後はドル買いが基本であるとすれば、いよいよドル/円が200日線をクリアに上抜ける場面を迎えるということも十分にあり得る。実のところ、先週の週足ロウソクは31週移動平均線(31週線)を終値で上抜けてきており、これも立派な強気シグナルの一つである。
仮に、ドル円が200日線をクリアに上抜けてくれば当然、次は8月1日高値の109.32円を試すこととなり、同水準をも上抜ければ110円台も視野に入ってくることとなろう。

一方、ユーロ/ドルについては「2週続けて31週線に上値をガッチリ押さえられた」という点が印象深い。米中協議が進展している模様であるうえ、英国の「合意なき(EU)離脱」という最悪の事態が回避されそうになっていることもあり、ある程度はポンドやユーロを買い戻す動きも見られていたが、このあたりで一旦出尽くしということになろうか。
次期ECB総裁のラガルド氏が「意外にもタカ派」ということはなさそうであるし、11月からECBは再び月200億ユーロの量的緩和をスタートさせるわけであり、そのような状況下でユーロが力強く上値を追うという様はやはり想定しにくい。
よって、ユーロ/ドルは目先的にも一目均衡表の日足「雲」下限と21日線が位置している1.1030ドル処を一旦は試す展開になると見る。

 (10月28日 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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