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第687回  米金利上昇でドル底堅いが米中協議の行方は期待と不安

2019年11月11日

 先週は、米国の主要な株式指数が連日のように史上最高値を更新する動きを見せた。連れて、日経平均株価も年初来高値を更新し続ける展開となり、市場には基本的にリスクオンのムードが色濃く漂い続けている。
 むろん、その背景には米中間における貿易協議が第1段階での合意に向かうとの期待があり、市場は関連のニュースに日々神経を尖らせている。先週4日には、ロス米商務長官が「中国との貿易合意第1段階は順調に進展している」、「まもなく米企業にはファーウェイとの取引の許可が付与される」などと述べたことで、市場の期待は一気に膨らんだ。実際、翌5日(3連休明け)の日経平均株価は前日終値比+401円の大幅高と大きく上昇。
 しかし、その後は中国商務省の報道官が「合意を巡る進展の中で、関税を段階的に撤廃することで両国は合意した」と発表する一方、米ホワイトハウス内には関税撤廃計画委対する強い反対があると伝わったうえ、週末8日にはトランプ米大統領が「米国は中国と関税撤廃で合意していない」と述べるなど、不穏なムードが漂う場面もあった。

 言うまでもなく、現在両国間で検討が進められている「段階的な関税撤廃のペース」というのは極めて神経質な問題である。ゆえに、協議が進められて行くプロセスにおいては両国首脳から様々なコメントも発せられるだろうし、市場にも様々な憶測が飛び交う。だからこそ、米・日株価の値動きが大いに勢いづいているのにも拘らず、一方でドル/円の値動きはやや鈍い(上値はやや重い)ということになるのであろう。
 もちろん、単に株式マーケットがノーテンキというのではなく、現実的に足下で発表されている米主要企業の決算が想定よりも強めであったり、少なからぬエコノミストや論客らが「米企業の利益水準は7―9月期に底を打ち、以降は切り返して持ち直す」との見解を示したりしているということも足下における株高の重要なファクターではある。
 その実、OECD景気先行指数において「OECD+未加盟主要6カ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、インドネシア)」の前月比年率変化率は、すでに今年の前半のうちに底入れから反発に転じている。この数値は大よそ6~9カ月ほど世界の製造業景況指数(PMI)に先行するとされており、そうであるならば世界の製造業はそろそろ持ち直してきてもおかしくはない。
 加えて、月初めに発表された10月の米雇用統計の結果もやはり大きかった。今回は9月半ばから10月下旬までGMの大規模ストライキが続いたことに加えて、労働参加率が63.3%にまで上昇したことを考慮する必要があり、それらを加味して総合的に判断すると非常にポジティブな内容であったということになろう。
なにしろ、仮に今回GMの大規模ストが行われず、また労働参加率の上昇もなかったなら、足下の失業率は3.4%まで低下し(結果は3.6%)、現場労働者の平均受給は前年同月比で+3.5%(結果は+3.0%)にアップしていたとされているのだ。これだけ足下の米雇用情勢が好調を維持していることからして、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における米利下げ実施の確率が足下で5%程度まで低下しているのも道理と言える。

 結果、先週末にかけて米10年債利回りは1.9%台にまで上昇してきており、ドル/円も一時は109円台半ばあたりの水準まで戻りを試すこととなった。先週7日、8日は2日連続してドル/円が200日線を終値で上抜ける格好となり、もはや110円台にトライするのも時間の問題といった感じもしなくはない。
 ただ、このところ暫く米・日株価の高値警戒感が高止まりしている状況であることは事実であり、やはり一旦は調整局面を迎えることも止むを得ないものと心得ておく必要はあろう。その場合、一旦はリスクオンのムードも後退し、ドル/円も一旦は110円手前で上値を押さえられがちになると推察される。      (11月11日 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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