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第692回  ひとまず市場には安ど感が拡がる…

2019年12月16日

先週行われた英総選挙の結果と米中貿易協議における第1段階での合意内容は、事前の市場の期待どおり、もしくはそれ以上のものとなった。
そもそも、選挙は“水物”である。また、明日の覇権を争う米中両国の指導者は其々が非常にセンシティブで難しい立場に置かれている。よって、最終的には「期待外れの結果に至る可能性もないではない」として、そうしたリスクに警戒するところが少なからずあった。その意味からすれば、少なくとも事前に想定していたレベルを超越したポジティブな結果だったということになるだろう。
 今回の英選挙の結果を受けて、かのジョンソン首相はさぞやご満悦のことであろうと察せられる。そして、同氏以上にご満悦であろうと思われるのは、他でもないトランプ米大統領。というのも、このたびの米中貿易交渉における第1段階の合意に向けた協議は、どう見ても米政権側が比較優位にことを運んだように思われる。互いがつばぜりあいを続けるなかでは当然、一定の妥協や譲歩も必要となろうが、今回は中国側がかなり譲ったとの感が強い。その意味で、今回の米中協議の結果は一つの“功労”として来年の米大統領選を戦い抜くうえでの重要な武器の一つになったものとみていいだろう。もちろん、これでトランプ氏がまた調子に乗り過ぎて、無用に中国政府首脳の感情を逆なでするような言動に及びやしないか少々心配なところはある。

ただ、足下ではVIX(恐怖)指数が再び13を下回る水準まで低下するなど、ひとまず市場には一定の安ど感が漂い始めており、既知のとおり、先週13日の日経平均株価は前日比+598円という大幅高を演じた。一方で、同日のNYダウ平均も一時150ドル超上昇する場面はあった。ただ、後に米下院司法委員会がトランプ大統領弾劾訴追条項案を巡る採決を実施し、起訴理由にあたる「権力乱用」と「議会に対する妨害」の二つの条項案を賛成多数で可決したと伝わったことで一気に値を消す展開となった。
結果、今週18日には弾劾訴追決議案が下院本会議で採決される見通しとなり、ここででは可決される公算が大きい。可決となった場合には、上院が弾劾裁判を実施して「大統領を罷免するかどうか」を判断することとなるが、現実問題、共和党が過半数を占める上院で罷免に必要な3分の2以上の賛成を得ることは難しいと見られる。
 それでも、コンピュータプログラムに基づいて自動発注するアルゴリズム取引のシステムが「弾劾決議」、「可決」などといったワードにとりあえず過剰反応する可能性は大いにあると言え、一時的にも波乱含みの展開となり得ることは心得ておきたい。

 基本的にはリスクオンのムードが漂うなかにあって、足下のドル/円は一旦109円台後半の水準を試す展開となった。ただ、それでも12月2日高値=109,73円を上抜けるには至らず、やはり目先は同水準をクリアに上抜けるかどうかが一つの焦点となる。
 先週12日以降、ドル/円が200日移動平均線(200日線)の上方に位置するようになったことは事実だが、今のところは200日線自体が下向きで推移しており、まだ「上値余地をグングン拡げそう」といったムードではないことも事実である。
 今週のドル/円は、一目均衡表の週足「雲」下限が109.23円に位置することから、結果的に週足ロウソクが週足「雲」の中に潜り込む恰好となりそうである。また、109.62円処には62週移動平均線による上値抵抗が感じられ、そう易々と上値を伸ばせそうな感じではない。ひとまずは、109.40円処を軸として109.20-60円のレンジでもみ合うことを想定し、超短期で小まめに対応するのが一手ということになろう。
 一方、ユーロ/ドルについては中期的に1.1100ドル処を軸に1.1020―1.1180ドルのレンジで推移すると見ておきたい。とりあえずの米中合意で中国経済の先行きに明るさが見えてくれば、ユーロの下値余地が徐々に限られてくる可能性もないではない。
 (12月16日 09:05)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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