FX・CFD・証券取引のことならマネーパートナーズ -外為を誠実に-

外貨投資 転ばぬ先の智慧

最新の記事

第702回 今しばらく市場の「パニック」は収まらない…

2020年03月16日

  先週は「これが本物のジェットコースター相場というものか」と、これまでの認識を新たにさせられるような1週間であった。振り返れば、週初(9日)はドル/円が一時101.17円まで下落する場面を目の当たりにすることとなり、その瞬間は少々背筋が凍る思いもした。ところが、翌10日のNY時間帯には大きく切り返し、大量のストップを次々に巻き込む形で一時106円手前まで上昇。その後、再び103.09円まで下押す場面もあったが、週を終えてみれば週初の水準から大きく値を戻し、一時は108.50円まで上値を伸ばすという極めてボラタイルな値動きであった。
ちなみに、先週9日安値の101.17円という水準は、ちょうど前回の米大統領選の開票結果が明らかとなった2016年11月9日の安値にピタリ一致する。その点が大いに意識されて、とりあえずは一旦下げ止まったと見ることもできるだろう。今後も一つの節目として意識される可能性があると認識しておきたい。

 ちなみに、前回更新分の本欄で筆者は、あえて「少し市場が冷静さを取り戻す(「パニック」が落ち着く)までは様子見に徹するのが無難」と述べた。実際、ヘタに参戦していたら相当な傷を負っていた可能性が高いと思われる。
振り返ると、先週10日にNYダウ平均が前日終値比で1000ドル超上昇したのは、トランプ米大統領が「給与税免除の可能性」に触れたことが主要因であり、市場は過度に大きな「期待」を抱いた。それが、翌11日、12日には大きな「失望」に転じ、市場は一種のパニック状態に陥ってしまったわけである。今にして思えば、連日の米株価急落は政策催促相場の様相を呈していたと受け止めることもできる。
そして、結果的に米政権は13日に慌てて「国家非常事態」を宣言するに至った。同時に、トランプ米大統領は野党・民主党が策定した数十ドル規模の経済対策法案を承認した。ここで民主党にも花を持たせることで、自身が熱望する大型減税に道を拓きたいとの思いからであろう。むろん、減税は選挙対策の意味合いも強い。
 同日のNYダウ平均は前日終値比+1985ドルの大幅高を演じた。それは、一つにペロシ下院議長が「トランプ政権とウイルス感染の緊急事態への支援策で合意に近づいている」と述べたことによる。結果、ドル/円も108円台まで大きく値を戻すこととなったわけだが、果たして8000億ドル規模にもなるという巨額減税が本当にすんなりと実現するものだろうか。期待は抱き続けたいものの、今しばし警戒は怠れないものと心得ておきたい。
 もちろん、基本的にドル安一辺倒の流れではなくなってきているということも見逃せない。前回更新分の本欄で「冷静に考えれば、ウイルス感染拡大の影響はユーロ圏においても甚大であり、いずれその点が材料視される局面も再来する」と述べたが、案の定、先週のユーロ/ドルは10日以降に大幅な下落に見舞われた。
 前回は、ユーロ/ドルが一時的に一目均衡表の週足「雲」を上抜ける展開となったことについて「少々パニック的」とも述べたが、実際のところ先週の週足ロウソクは長い上ヒゲを伴う長い陰線となった。要するに、先週9日までの大幅な戻りは、単に「パニック状態のなかでのオーバーシュート」であったということになろう。

 既知のとおり、このほど米連邦準備制度理事会(FRB)は、緊急の利下げ(1ポイント)を実施するとともに、債券保有を7000億ドル(約74兆7000億円)増やす方針を表明した。そのため、今週予定されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)は行われない。
それにも拘らず、時間外のNYダウ先物は大幅に下落する展開となっており、週明けのオセアニア市場ではドルが大きく売り戻される格好となっている。FRBとしては、先手を打って、なおかつ持てる手段をほぼ出し尽くしたつもりだろうに、それがかえって市場を疑心暗鬼にさせた可能性もないではない。今しばらくパニック状態は続きそうであり、なおも基本的には様子見を続けたい。

(03月16日 08:45)

このページの先頭へ

このページの先頭へ

プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意

FX取引(外国為替証拠金取引)、商品CFD取引および証券取引に関するご注意
パートナーズFX、パートナーズFXnanoおよびCFD-Metalsは、取引時の価格またはスワップポイントの変動、およびスワップポイントは支払いとなる場合があることにより、売付時の清算金額が買付時の清算金額を下回る可能性があるため、損失が生じるおそれがあります。また、証拠金の額以上の投資が可能なため、その損失の額が証拠金の額を上回るおそれがあります。売付価格と買付価格とには差額(スプレッド)があります。

取引手数料は無料です。ただしパートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの受渡取引に限り、1通貨単位あたり0.10円の手数料をいただきます。

パートナーズFXおよびパートナーズFXnanoの取引に必要な証拠金は、取引の額の4%以上の額で、証拠金の約25倍までの取引が可能です。法人コースの建玉必要証拠金金額は原則、一般社団法人金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額とします。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。

CFD-Metalsの取引に必要な証拠金は、取引の額の5%以上の額で、証拠金の約20倍までの取引が可能です。 国内上場有価証券の売買等に当たっては、最大で約定代金の2.75%の手数料(消費税込み)、最低手数料は取引形態等により異なり最大で2,750円(消費税込み)をいただきます。国内上場有価証券等は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等および有価証券の発行者等の信用状況(財務・経営状況を含む)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)があります。

取引開始にあたっては契約締結前書面を熟読、ご理解いただいた上で、ご自身の判断にてお願い致します。

〈商号〉株式会社マネーパートナーズ(金融商品取引業者・商品先物取引業者)
〈金融商品取引業の登録番号〉関東財務局長(金商)第2028号
〈加入協会〉日本証券業協会 一般社団法人金融先物取引業協会 日本商品先物取引協会

このページの先頭へ

FX(外為取引)・証券のマネパHOME > マーケット情報 > FXコラム > 外貨投資 転ばぬ先の智慧 > 第702回 今しばらく市場の「パニック」は収まらない…