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第707回  米株価の急ピッチな戻りにやや警戒…

2020年04月20日

 先週の国際金融市場では、やはり米株価の力強い値動きが目を惹いた。
既知のとおり、トランプ米大統領は先週16日、新型コロナウイルス感染収束後の米経済再開に関するガイドラインを公表。各州知事に「米国を再開する」と題したガイドラインを説明した。あくまでも「ガイドライン」に過ぎないわけだが、市場は当然、早期「再開」への期待を強める。トランプ氏が秋の大統領選に向けて“手柄”を焦っているのは見え見えだが、長いことコロナの禍と向き合い続けている多くの人々の抑圧された心が「解放」に強い期待を寄せるのは道理であり、結果、米株価が足下で大きく戻りを試す動きとなってきたことも理解はできる。
 とはいえ、NYダウ平均の週足ロウソクが2週続けて「陽線」を描き、すでに2月高値から3月安値までの下げに対する「半値戻し」の水準や24000ドルの節目を上抜けてきていることなどを考慮すると、さすがに今週あたりは戻り一巡となってもおかしくはないように思われる。
 ちなみに、NYダウ平均は足下で一目均衡表の日足「雲」下限水準にまで達しており、場合によっては同水準が目先のレジスタンスとして意識される可能性もある。同時に、日足の「遅行線」が日々線を上抜きかけているのも気になるところで、場合によっては一旦押し戻される可能性があると見られる。
 一方で、日経平均株価も足下では日足「雲」にぶち当たる状態になっており、同時に2万円の大台に乗せるかどうかの瀬戸際でもある。やはり、このあたりで戻り一服となりやすい場面であり、今週は週後半に向けて調整勅を強める可能性があると見られる。

 ここまで米・日株価に関わる話題が続いたわけだが、それは目下の外国為替相場がとかく「株価睨み」の展開に終始することが多いからである。たとえ、欧米時間が終了して東京時間帯に突入してからも、時間外で取引されるダウ先物の値動きなどを睨みながら為替相場も変動するケースが多い。他に、これといった手掛かり材料が見出せない、見出しにくいということもあろう。
 米国をはじめとした主要国の経済指標や景気データは、とにかく酷い内容のオンパレード。それは、これまでに相当程度織り込んできたし、そもそも感染症の拡大で不況に陥るパターンにあっては、過去の数値・データに基づいて将来を予測できるわけでもない。
 経済的な数値やデータがあてにならない今は、感染拡大がピークアウトした可能性であるとか、幾つかの治療薬で有効性が確認される可能性などが相場を動かす材料となるのも致し方ない。ただし、そこにある可能性や期待は基本的に不確実性が高いものでもあるということも理解したうえで、当面は相場と向き合わねばなるまい。

 先週のドル/円は、週初に200日移動平均線(200日線)をクリアに下抜け、以降は週末まで同線を上抜けることができなかった。基本的にはリスクオンのムードが強まったことから、ドル買いと円買いの巻き戻し(ドル売り・円売り)が同時に生じてドル/円は小動きに終始するしかなかったということになるのだろう。
 その意味からすれば、今週は米株価が一旦「戻り一巡」となる可能性があり、そうなれば再びドル買いが復活してドル/円も多少なり上値を試す展開となる可能性がある。あらためて200日線を上抜ければ、一目均衡表の週足「雲」上限=109.33円や4月6日高値=109.38円処を試す可能性もあるだろう。
 一方、ユーロ/ドルについては前回更新分の本欄で「まだ、多少は戻り余地が残されているようだが、やはり1.100ドル処は上値の重しになりやすい」と述べ、実際に先週は1.0990ドル処まで戻りを試した後、反落して再び1.0900ドルを割り込む動きとなった。今週も基本的には1.0800-1.1000ドルのレンジ内での値動きが続くと見ていいだろう。
 (04月20日 08:45)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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