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第723回 なおもドル/円はレンジ内でのもみ合いを続ける公算大

2020年08月24日

 先週のドル/円は106円台半ばあたりの水準から一旦下落し、19日の東京時間帯には一時105円割れ寸前の水準まで下押す場面もあった。対ドルでのユーロ買いが強まったことによるわけだが、結果、ユーロ/ドルが1.20ドル手前の水準まで上値を試す格好となったことで、以降は「一旦利益を確定しておこう」とする動きが強まり、19日のNY時間入り後にはユーロ売り・ドル買いの流れが俄かに強まることとなった。
 また、ほどなく公表された7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容が「米当局は新たな緩和策には前向きでない」と捉えられたこともあり、市場ではドルを買い戻す動きが一層勢いづき、ドル/円は一旦106円台を回復する動きを見せた。

 もっとも、FOMC議事録の内容がさほどタカ派的だったわけではない。元々、米当局がイールド・カーブ・コントロール(YCC)の導入に否定的なことは分かっていたし、かねて議論されているフォワードガイダンスの明確化については、次回9月の会合で新たな指針が提示される公算が大きいと見られている。
 つまり、そろそろドルを買い戻したいと考えていた向きにとって、FOMC議事録の内容がいいきっかけ(ドル買い戻しの格好の口実)になったというだけのことである。そもそも、米大統領選挙戦がいよいよ佳境に入ろうとしている段にあって、米当局が米経済の先行き不安を煽るような材料をわざわざ提供する必要もない。
 米国の追加経済対策を巡る与野党の議論が紛糾していることがドル売りの一因とされたりもしているが、この議論は近いうちに双方が歩み寄って決着する可能性が高い。一部に「民主党の方が譲歩の姿勢を見せ始めている模様」とも伝わっているが、それは皆が期待している政策の成立に貢献する姿勢を見せておいた方が国民ウケは良くなるとの計略が働いているためと捉えることもできるだろう。
 少なくとも、追加経済対策を巡る与野党の協議が完全に決裂するということはなかろう。近く妥協案が成立して「とりあえずは一段落」となるのだろうが、そうなると米株価の方は一旦材料出尽くしということになるかも知れない。その場合、米株価が調整場面を迎えることで、リスク回避のドル買いという解釈がなされるようになる可能性もある。
 いずれにしろドル/円は、結局のところ105-107円処のレンジ内でのもみ合いを今後も続ける可能性が高いと見ていいだろう。少し振り返ると、8月13日、14日にドル/円が107円台に乗せた場面では89日移動平均線が上値をガッチリ押さえる格好となった。しかるに、場合によっては再び同線を試す展開となる可能性もあると見られる。
 なお、今週27-28日に予定される「ジャクソンホール会合(TV会議形式)」では米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による講演も予定されている。市場の注目度は高まっており、事前に様子見ムードが強まる可能性もあることは心得ておきたい。

 一方、先週末にかけてユーロ/ドルが一気に弱含みの展開となったことも大いに興味深いところである。前述したとおり、その一因は1.20ドルの大節に接近したことにあると考えられ、かねて「1.20ドル台乗せとなれば当局が何らかのアクションを起こすに違いない」と見る向きも少なくない。
 また、先週末21日に発表された独・仏ならびにユーロ圏の8月の製造業PMIとサービス部門PMIが軒並み市場の事前予想を下回る弱めの数値であったことも見逃せない。この結果を受けて欧州時間入り後のユーロ/ドルは急落し、一時的にも1.1750ドル近辺まで下押す場面があった。そのため、先週の週足ロウソクが長めの上ヒゲを伴う陰線を描くこととなった点にも要注目。週足の陰線が出現したのは6月半ば以来のことである。
 ちなみに、先週末21日はポンド/ドルも急落しており、その余波はユーロ/ドルにも及んだ。既知のとおり、英国と欧州連合(EU)の貿易交渉が不調に終わったことが最大の要因であり、これは少々尾を引く可能性が高いと見られる。
(08月17日 08:50)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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