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第747回 過度な米債利回り上昇と米・日株価下落は一時的

2021年03月01日

 先週は、兎にも角にも米10年債利回りが一時1.6%台に乗せたことが市場の話題をさらった。この利回り水準がS&P500種構成企業の配当利回り平均を上回ったことが嫌気されたこともあり、25日の米株価は大幅安。連れて、週末26日の日経平均株価も前日比で1200円以上の下げとなる非常に荒れた展開になった。
 正味のところ、今回の米・日株価の大幅下落は「当然のスピード調整」であると考えられる。言わば、一時的な上げ過ぎの反動であり、そこに月末要因も加わった。日経平均株価について言えば、寄与度が高いファーストリテイリング株を海外投資家が日経平均株価の代わりに買い煽ったことの反動と見られる。その実、日経平均株価の下げに比して、東証2部指数や日経ジャスダック平均、マザーズ指数などの下げは限られたものになった。

 米債利回りの上昇については、まず米7年債の入札が極度の不調に終わったことが一因と見られる。足下で長めの金利が上昇傾向を辿っているなかで、期間7年の米国債を積極的に手当てしようとする向きが少なかったのは道理でもある。
 また、俗に「コンベクシティヘッジ」と呼ばれる現象を伴うところの、言うなればテクニカルな要因による債券売りの結果といった側面も強いとされる。今回は、米債利回りの一時的な急上昇で住宅ローン金利も上昇した。結果、今後は債務者の借り換えが進まなくなり、住宅ローン担保証券(MBS)を保有する投資家にとっては資金回収のタイミングが遠退くリスクが高まる、そこで、仕方なくMBS投資家が保有の米国債を売ることで全体の回収期間を調整しようとした模様である。
 ちなみに、MBSの約3分の1を保有する米連邦準備制度FRBや同様に3分の1を保有する米銀などにコンベクシティヘッジのニーズはないことから、その影響は自ずと限られるものと思われる。いずれにしても、今回の米債利回りの急上昇は秩序だった売りでもなければ、取り巻く状況の急変に因るものでもなく、あくまで一時的な持ち高解消がまとまって出た結果であるものと思われる。実際、週末26日の米10年債利回りは1.420%に落ち着き、一時的に2.39%まで上昇した30年債利回りも2.148%まで低下した。これは、市場に「債券売りは続かない」との思惑が拡がった結果でもあるようだ。

 むろん、米債利回りが今後も緩やかに上昇傾向を辿ると見られることは確かであり、その点が一つにドルの下値を支えている。加えて、足下のドル/円がテクニカルに強い基調を維持していることもあらためて確認しておかれたい。実際、2月10日には21日移動平均線が89日移動平均線(89日線)を上抜ける「ゴールデンクロス」が示現し、さらに23日以降は89日線が上向きとなるなど、次々に強気のシグナルが灯っている。
 なお、前回更新分の本欄で「あくまで当面の下値の目安は一つに前述した上昇チャネルの下辺ということになる」と想定したが、案の定、先週23日にチャネル下辺まで下押したところで下げ渋り、反発後は週末にかけて再びチャネル上辺を試す動きとなった。
 結果、再び戻り一服となったことから当面はチャネル下辺が意識されやすくなると思われるが、しばしの調整後はあらためて26日高値=106.69円を試し、同水準を上抜ければコロナ・ショック後の高値から今年1月安値までの半値戻し=107.15円処を試す可能性が高いと見られる。

 一方、ユーロ/ドルは25日に日足の上ヒゲ部分で一時的に一目均衡表の日足雲を上抜けたものの、ほどなく反落して週末にかけては再び日足「雲」下限(1現在.2054ドル)や89日移動平均線(89日線)を試す格好となった。
 よって、目先は、1.2050-60ドル処を下抜けるかどうかが一つの焦点。同水準を下抜けると、またしても1.2000ドルの節目が意識されやすくなると見ていいだろう。
(03月01日 07:30)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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