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第757回 的外れな市場予想にチャンスは潜む…

2021年05月17日

 先週12日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)の結果は、市場にとってかなりのサプライズになったようだった。その前年比+4.2%という数値結果は、確かにかなり強めではあるが、前年実績(+0.3%)の大幅な低下による「ベース効果」というものを考慮すれば「それほど驚く値なのだろうか」と個人的には感じた。
 「2008年9月以来、12年7カ月ぶり(の高水準)」という言葉が独り歩きしているようだが、パンデミックによる強烈な落ち込みとワクチン拡大に伴う経済再開という事象を過去のいかなる局面とも比べてみてもあまり意味を持たないだろう。
 とまれ、今月7日に発表された4月の米雇用統計における非農業部門雇用者数(NFP)しかり、ここもとは米経済指標に対する事前の市場予想と結果に大きな開きが生じるケースも少なくない。この1年の状況変化を考えれば予想が的外れとなるのも道理であり、当面は「市場予想をハナから疑ってかかる」こともときに必要となろう。なお、そこに投資成果を生むチャンスが潜んでいるケースも少なくないということは、4月の米雇用統計や米CPIなどの結果を受けた市場価格の変動が証明している。

 先週は足元の物価上昇傾向について米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が「あくまで一過性の要因」と述べる一方で「一過性でないと分かればFRBは行動する」とも言っていた。この発言に対して市場はやけに敏感にドル買いで反応していたが、考えてみればクラリダ氏はごくごく当たり前のことしか言っていない。
 確かなのは、米国景気が着実に回復軌道を辿っているということであり、そうであるならばコロナ禍への緊急対応として実施された超緩和的な金融政策を、そろそろ「正常化」して行く必要があることは言を俟たない。つまり、ここは足元の物価上昇が一過性かどうかを取りざたするよりも「近い将来において始まる可能性が極めて高いテーパリング」について思いを巡らせることの方が、よほど現実的であると言えよう。
 すでに、市場では「FRBがテーパリングの開始に関わる議論を始めると市場にアナウンスするタイミング」について、「8月にジャクソンホール会議が開催される時期あたり」と見る向きが日増しに増えている模様である。ならば、日々の相場はそれを織り込みにかかるに違いないわけで、基本的にはドル売りに傾斜しにくい状態が続く。

 目下のところ、ドルが底堅く推移すると同時にクロス円が総じて弱めの推移となっていることから、当然、ドル/円の下値は自ずと限られる格好となっている。
 今のところは、少なくとも21日移動平均線(21日線)をクリアに下抜けるようなムードではなく、一方で上値は一目均衡表の日足「雲」上限の水準から109.70-80円あたりのところで押さえられた格好となっている。目先は、一つに日足の「遅行線」が日々線を上抜ける格好となるかどうかを見定めたい。
 仮に、日足「雲」上限と109円台後半の水準を明確に上抜ける動きとなれば、次に月足「雲」下限が位置する110円前後の水準が意識されるようになると見る。同水準をも上抜ければ、再び111円近辺の水準が視野に入ってきてもおかしくないと見られる。

 一方、ユーロ/ドルは5月7日以降、1.2180ドル処に上値抵抗がある一方、1.2070-80ドル処では下値が支えられているものの、一段の上値を追うには少々材料不足の感もある。
 こきにきて、遅れていたワクチン接種がようやく加速し始め、域内各国でロックダウン(都市封鎖)の解除も進んでいるようだが、それ以上に米国の経済再開ペースの方が遥かに速いということも否定できない事実である。よって、当面は1.2080ドル処を軸とする1.1980-1.2180ドルのレンジのもみ合いが続くと見ておきたい。
 むろん、ユーロに加えてポンド、豪ドルなども円に比べればずっと買われやすい状態にあり、クロス円全般に強めの展開は今後も続くと思われる。
(05月17日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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