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第759回 なおも、円の上値を追うことには慎重にならざるを得ない

2021年05月31日

 先週のドル/円は、週末にかけて一目均衡表の日足「雲」をクリアに上抜ける展開となり、このところの円全面安の流れを強く印象付けるものとなった。
 ドル/円は一時110円台を回復する場面もあったが、そこは月足「雲」下限の水準に上値を抑えられる格好となり、本日が最終日となる5月の「終値」が最終的に月足「雲」下限を上抜けられるかどうかという点も注目される。
 必ずしもドル買い優勢という展開ではないのだが、決してドルが弱いというわけでもない。実際、ユーロ/ドルは目先的に頭打ちの感が強く、先週28日は一時的にも節目の1.2160ドル処を下抜けた。結局、ユーロ/ドルは「下に往って来い」の展開となり、下値は21日移動平均線のサポートが効いている。今しばらく、ユーロドルは方向感の見出しにくいもみ合い状態を続けると見られる。
 その一方で、ユーロ/円は「上昇街道まっしぐら」という状況であるわけだから、やはり円安の色合いは濃い。加えて、ポンド/ドルも強気の展開を続けており、もはや2018年1月高値=156.61円処と顔合わせするのも時間の問題となってきている。

 なにしろ、日本の10年国債利回りは4月初旬以降、上値を切り下げ続けている状態にある。5月21日に総務省が発表した4月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数で前年同月比0.1%下と、9カ月連続で前年同月比マイナスであった。携帯電話の通信料の値下がり分が大きく貢献しているとはいえ、依然として物価水準が全体に強含みとなる気配は今のところない。
 もちろん、今後の国内におけるワクチン展開の行方次第というところもないではないのだろうが、これから日本でワクチン展開が拡大していく間に、米・欧では一段と金融政策の正常化に向けた論議が盛んになろう。さすがに、円の下値にもおのずと限りはあると思われるものの、9都道府県で緊急事態宣言の延長が正式に決定するといった状況で、積極的に円の上値を買い進むことにも慎重にならざるを得ない。

 思いの外、米国債利回りが低めに押さえられている感は否めず、それは米金融政策当局が雇用情勢の改善の遅さを考慮していることも一因と思われるが、その背景に「手厚すぎる失業手当給付」の存在があることは誰もが知るところである。給付の上乗せが9月期限であることを考えれば、数カ月内に雇用者数も増加ペースが強まり、相前後して米国債利回りも再び強含みとなってくるだろう。
 とまれ、目下は米金利が押さえられていることもあって米株価が堅調な推移を続けており、連れて日本株も反発の機運を強めていることから市場のリスク回避ムードも後退している。結果として円が買い進まれなくなっているという点も見逃せない。

 今週も、ブレイナードFRB理事やクオールズFRB副議長など、FRB高官に発言の場が与えられる機会は多いが、もはや其々の発言に対する市場の反応は限られよう。そうなると、やはり市場の関心が集中しやすいのは5月の米雇用統計の結果ということになる。
 注目は市場の事前予想であり、前回と同様に少々的外れなものとなる可能性がある。それは無理からぬことであり、肝心は予想と結果のギャップが生じたときに、それを市場がどう解釈するかである。発表直前まで市場の予想がかなり控えめであったならば、結果はドルの強気材料と見做される可能性もあると見る。
 いずれにしても、目先はドル/円が再び110円台乗せにトライして、3月高値の110.96円を試すような動きとなるかどうかが一つの焦点。上値トライの勢いが削がれれば、一旦は日足の基準線が位置する水準まで調整する可能性もあると見ておかねばなるまい。
 一方、ユーロ/ドルは依然として1.2150ドル処を軸とした1.2050-1.2250ドルのレンジ内での値動きに終始すると見る。
(05月31日 07:00)

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プロフィール

  • 著者近影 田嶋 智太郎(たじまともたろう)
    昭和63年、慶応義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJ証券)勤務を経て、経済ジャーナリストに転身。これまでにNHK「くらしの経済」、テレビ朝日「やじうまプラス」などのコメンテータを務め、年間で全国およそ200ヶ所の講演を続ける。現在は日経CNBC「一発回答!銘柄ナビ」レギュラー。「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)など著書も多数。


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